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悪役の登場

人がいなくなった所で再度襖を開けようとすると、今後はすんなりと開いた。

中には一人の男がおり、こちらに背を向けている。

水晶に入った人物同様にお面をつけているようで、後頭部でひもが結ばれていた。



「……何をしている、こんな所で」



龍流の怒りが込められた声に男は振り返らずに肩で笑った。



「………龍流さまは何をしていると思われますか?」



「質問を質問で返すな」



怒り心頭だからなのか龍流の周りが蒼白い光に囲まれ始め、周りの壁がメキメキという音を立てている。

まるで私の力が暴走する直前のような現象だ。

これはまずいのではと思っていると、男は仮面を取り振り返った。

そこに現れたのは一見どこにでもいそうな男に見えるのだが、どこか薄気味悪さを感じてしまうのはこの男の纏っている空気だろうか。

それともこの状況のせいか。



「そうですね。まず私の名前をご存じですか?龍流さま」



「知るわけないだろ」



間髪入れずに答える龍流に、男は声を上げて笑った。



「あはっはっはっは!だと思いましたよ、龍流さま。私は貴方のことを知りたくもないのに知ってますよ」



「名前を答える気がないようだな。ふざけた奴だ。なら、どうしてこんなことをしてるのか吐いて貰おうか」



龍流が右手を動かしたと同時に男はにやにやと笑い、すっと身体を横に反らした。

そのとき。



「っな?!」



その奥にある部屋にボロボロになって倒れ込んでいる鵜羽と影蛇の姿があった。



「2人とも!」



蘭が前に出ようとするのを雀炎が止めた。



「待って、蘭ちゃん!今前出たら危ないって!」



「そうだけど!」



「蘭、2人ともまだ無事だ。落ち着け」



犬縁もそうは言っているが、表情が硬い。

男は私たちの反応を見て心底嬉しそうな顔を浮かべ、両手を広げた。



「あぁ愉快ですね。私の邪魔なんてしようとするからこうなるのですよ。ま、もう宝具なんて使う必要なくなったんで本当はここまでしなくても良かったんですがね」

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