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約束

水晶を覗き込んだ龍流は無表情でそれを眺めたかと思うと、舌打ちをした。



「…っち、一族のやつとしか分からねぇな。まさか、今回のこと一族の誰かがやったってことか?」



「そのようだね。このまま辿れば本体と接触することも可能なんだけど、どうだろう?向かっても良いかな?」



このまま辿ることが出来れば今回の主犯と接触が可能。

ただし、もし主犯が龍流の一族の誰かだとすると捕まったときに龍流の一族に傷ができるから確認しているのだろう。



「……良い。行くぞ」



龍流は数秒思案した後、そう言い再度その水晶を覗き込んだ。

その瞳が何を思っているのか分からないが、怒っているとも悲しんでいるとも分からない目をしていた。


それから水晶から伸びる糸のようなものを辿り、向かっている最中に涼音と分身の玉房と出会った。

涼音たちは玉房が2人いることに驚いているようだったが、私ひとりだけやっぱりなと心の中で思っていた。

その後、糸を辿りながら涼音に私から状況を説明した。

涼音は静かに頷きながら話を聞いたあとにまっすぐと私を見た。



「ねぇ、翆。この後もし戦うことになっても無理はしちゃだめよ。いくら男の子ぶっても翠は女の子なんだから。これ以上傷作ってどうるすの。怪我だってまだ完治してないんだからね。私、三回も死にそうな姿を見るのなんて絶対に嫌なんだから」



怪我のことなどついて、涼音にはたくさん心配をかけたから反省しなければいけないと思っている。

男の子ぶっていたのは、生前馬鹿なことを敢えてしていたとき、皆の反応が男の子っぽくやるとリアクションが良かったからというだけの理由だったのだが、やめるにやめられなくなり今もそのまま継続しているわけなのだが、今更女らしい行動を取るのも難しいな。



「気をつける」



「絶対にしないって言って欲しかったな、私は」



頬を膨らませる涼音の姿に思わず笑ってしまった。

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