意味があった
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まず宝具は、学園を中心として北・東・西・南東・南西に一つずつ配置されているそう。
今回盗まれたのは北にある宝具だという。
物としてはクリソタイル・サーペンティンと呼ばれる石が入ったネックレス。
古来から危険から身を守る石と呼ばれているらしい。
東の方角にはスモーキークォーツ、西側にはトルマリン。
どちらもそれらで出来たブレスレッドが祠の中に入っているようだ。
南東の方角にはクリスタルクォーツ、南西側にはターコイズ。
こちらはそれらで出来たイヤリングだそうだ。
どれも守りの石で、それらが揃うことによって学園に通う生徒もこの地域に住む神々たちも平和に過ごしながら力を使うことができるようになるそうだ。
これがひとつでもなくなると歪みができ、守られていた空間に歪みが生じてしまい今まで神域と呼ばれる空間であった場所と人間界との境目に亀裂が入り、力の暴走や神隠しのような現象が起きてしまうのだという。
今現在、ひとつがなくなっている関係で人間がよく土地に迷い込むようになってしまい、現在涼音に協力してもらい、人間界へ戻すようにしているのだとか。
ここでひとつ、涼音が何もない所から出てきたことを思い出して欲しい。
これは歪みの前兆だったとこの本では記載があった。
人間が学園に出現したとしたら、それは宝具に危機があられる恐れがあることを示していると。
これを学園長は知っているのだろうか。
知っていて入学を認めたのか、どちらなのだろうか。
どちらにせよ、あれが予兆だったとは思わなかった。
乙女ゲームでよくある展開なのかは知らないが、ただの演出に過ぎないのかと思っていた。
「翆が入院した後に実は学園長から今回の調査を皆で行う許可を得た。その上で学園内、それ以外にいるこの土地の神々の力で、今回のような姿を隠したまま攻撃ができるような力を持っている人物を探して貰っている。龍流、蘭には、気配を追ってもらい宝具を守りながら敵がいたら排除して貰っている」
確かにこの学園に通っている者たちが一体どんな力を持っているのか分かっていない。
近くにいるメンバーでさえ、何を使えるのか細かくは分かっていないのだ。
それを学園内だけでなくこの土地の神々となると探すのが大変だな。
「因みに俺は影蛇と宝具の確認をしている。玉房は明の傍にいながら何かあったら動けるようにしているそうだ」
「……そうか」
恐らくなのだが、玉房は分身が使えるのではないかと思っていたりする。
前回ひとりで動いていたとき、書庫に玉房はいたという。
けれど、実際の玉房は書庫になどいなかったに違いない。
これから予想するに書庫に分身を置き、戦に本体が出ているに違いない。
今でいうのであれば、涼音の近くに分身を置き本体は宝具や嫌な気配を追っていたりしているのではないだろうか。
是非、考えて欲しい。
涼音の守るためだけに本体が行くだろうか。
宝具や怪しい敵がうろついているかもしれないのに。
いくら皆を頼るようになったとはいえ、涼音を守るためだけにその場に本体を置き続けるとは今までの行動からして考えにくい。
「翆はどうする。無理な動きは取れないだろうし雀炎たちの情報収集にまわるか?」
「そうだな…」
戦力にはなれないし、今できることとしてはそれだけだろう。
「それなら今の時間だと…自習室の奥の部屋に2人ともいると思うから行ってみてくれ」




