懐かしい姿が
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翌日、運良く鵜羽が面会に来てくれた。
そこで私のお願いをしてみたのだが首を横に振られた。
「ごめん、俺にはその力を抑えることも出来ないし、練習に付き合ってどうこうできるほどの能力もない。 悪いな」
鵜羽は申し訳なさそうにそう言いながら持ってきてくれた花を花瓶に入れてくれた。
「恐らく異空間での力のコントロールだとかアドバイスとかを行えるのは玉房しかいないと思うぞ。翠も玉房も嫌がるだろうがな」
「その通り。あんな男に頼りたくもない」
それに何だその異空間での力のコントロールって。
そんなこと出来るのか。
あの男、本当にチートだな。
出来ないことってないのか。
「他に本当にいないのか?」
「そうだな。本当にコントロールをつけたいと思うなら玉房程の逸材は居ないと俺は思う」
「何てことだ……」
その能力が鵜羽にあれば良かったのに何故あの男しか使えないんだ、と私は頭を抱えてしまった。
「でも、翠の言うように奴らはまた来ると思うぞ。コントロールをつけるなら少しでも早い方が良い」
「だよな…」
ここは諦めてあの男に頼み込むしかないか。
そうでもしないとこの力をコントロールすることは無理だ。
意地を張らずにさっさとあの男に依頼するかって言っても、退院してからじゃないと何も出来ない。
腕もまだ完全に良くなったわけではないし動きに制限がある。
こんな状態ですぐに力を解放すれば私の体がまず持たなそうだ。
体力を少しでも戻し退院してからすぐにでもコントロールの練習が出来るように運動していくしかない。
「玉房には俺から言っておこうか?」
「いや、私から言う」
人伝に伝えるような話でもないしな。
そもそも面会に来てくれるかも分からないが。
前回は向こうに用事があったから来たが用がなければ来ないだろう。
「そうか。ならせめて話がある程度は伝えておく」
「助かる」
本当にこの鵜羽、頼りになる。
あの男とは違って。
何故よく一緒にいるのに似ないのかが不思議だ。
それから数日後、あの男はやってきた。
それも大量の課題を持って。
「はい、溜まってる課題。暇だろうから持ってきてあげたよ」
「………」
この男、どうやらまた殴られたいようだ。
前回どっちを殴ったか忘れたが、右手で殴れる方を殴ろう。
そう思って右手に拳を作っていると何かを察したのかその上に手を乗せられた。
「……何をする」
「いや、何となく嫌な予感がしてね」
バレたか。
「離せ、お前と手を握る趣味はない」
「あいにく俺もないかな。これは自己防衛のためだから。握りたくて握った訳じゃないから。 と、まぁ、この話はここまでにしてさ、俺に話したいことって何? まさか告白?」
「なわけない」
間髪入れずに答えれば、だよね、と笑いながら言われた。
分かっているなら言うな。
「お前にお願いしたいことがある。私が退院したら異空間で私の持つ力のコントロールをみて欲しい」
真面目にそう言えば、玉房は面白くなさそうな表情を浮かべた。
「えぇ? 嫌なんだけど。異空間とはいえ俺の空間に翠を入れるんでしょ? 無理無理」
心底嫌そうな顔しなくても。
こっちだってお願いしたくもない相手にお願いしてるんだから少しは譲歩しろよ、この男、と睨み付ければ玉房は溜め息を吐いた。
「何で今までやろうともしなかったことをやりたいと言い出したのかは分かるよ。それが今必要であることも。でもね、翠。嫌なものは嫌だ」
「……この糞やろう…」
やっぱり殴らないと気に食わない!
そう思ってベッドから立ち上がろうとすれば、何故か真顔に見える玉房が座ったまま私をじっと見ていた。
「……ねぇ、無理してその力を使う必要なんてないんじゃない?力を使わず翠は翠の出来ることをやれば良いんじゃないかな?」
「なっ………?!」
その一言に昔の颯太の顔が脳裏に浮かび、言葉に詰まった。




