ゲームでは描かれていないストーリー
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ゲームだと明は寮に入り、1日を終え翌日を迎え座学を受けている風景が描かれ、人間では使うことのできない力についての説明を受けるらしい。
その後、学園内の探索をし攻略対象たちと親交を深め、数ヵ月後になりたい組を選択できるのだという。
1組目は玉房と鵜羽。
2組目は雀炎と龍流。
3組目は犬縁と影蛇。
この影蛇だが、実は隠れ攻略対象らしい。
主要メンバーの攻略が終わると解放されるそうだ。
ちなみにこの影蛇も同じクラスメイトだったりする。
本来はそのような流れになるはずなのに、昨日の爆発のせいで学園内がバタつき入学式翌日から自習だったりする。
この騒ぎで担任も連絡事項を伝えて捜索へと向かったようだ。
ここまで大がかりに捜索するということは、昨日の出来事は結構重要な出来事だったりするのだろうか。
「こういうときこそ修行の成果を見せるときだと思わねぇ?!」
目を輝かせ、今にも眠りそうな犬縁に言う雀炎に龍流は呆れている。
「馬鹿か。 修行はあくまで最低ラインから平均のラインに上げたに過ぎないだろうが。 まだまだ実践向きじゃねぇ」
「えぇ… だってさぁ、このままここで大人しくじっとしてるとか性に合わないしさぁ」
「龍流の言う通りだ。 ここは大人しくしておいた方が良い」
「鵜羽までぇ…」
肩を落とす雀炎にその横を通った玉房は、その肩に手を置いた。
「何、これから役立つときが嫌でも来るよ。 今は我慢すべきかな」
「ちぇ…残念」
「それにしても何でこんなに大掛かりになっているのかしら」
蘭は窓の方から爆発した部分を見ながら呟き、眉を潜めている。
「宝具の一つが盗まれたからじゃないかな?」
そこへ黒縁眼鏡を掛けた茶髪の男が言った。
この男こそ影蛇だったりする。
「宝具? って何だ?」
「お前な…」
龍流が頭を抱えると、蘭も目を座らせ、犬縁に関しては大きな欠伸をした後に本格的に眠り始めた。
「宝具っていうのはこの地を守る道具のことだよ。 全部で5つあって、この学園を中心に置かれているもので、その1つが昨日奪われて祠ごと爆発させたみたいだね」
そんな大事なものがあの山にあったのか。
影蛇の話を聞かなければ私も知らなかった。
涼音は知っていたのだろうか。
そう思い、そちらを見てみると首を横へ振られたのでゲームでは描かれていない情報のようだ。
「へぇ、初めて知った… よく知ってるな。 えぇと…」
「影蛇だよ。よろしく」
「影蛇な、オレは」
「雀炎、でしょ。 知ってるよ」
昨日自己紹介されたはずなのに私も気付かなかった。
涼音からゲームの流れを教えて貰ったときに存在を知ったため、雀炎のことをとやかく私は言えない。
「だから必死に探してるのね…盗んだ犯人とその宝具を」
「そうみたいだよ」
それは必死にもなるだろう。
早く見つかれば良いのだが、と思いながら課題として出された問題を解くことに専念した。




