マスター・マインド
「最適解ってなんだ。」
雨野虹は荒廃した都市に浮遊しながら、その周りを飛び回る黒い妖精に問いかける。
「あなた自身にはなんも力はないけど、私達妖精の魔法を扱うのに長けているということ。こちらに来られる人の中では当たりだったみたい。」
癇に障る説明だが的を射ていた。魔力を使うときの感覚としては頭の中に膨大な知識を無理やり詰め込まれるようなものである。その知識から必要なものを取捨選択すると魔法が発動するのだが、捨てすぎると魔法が失敗し、残しすぎるとその力は膨大なものになるが命を削られる。通常なら疲労感にも襲われるようであるが黒妖精がそれを未来に先送りさせているらしい。雨野虹は考えると恐ろしくなるので一旦思考を停止する。
「ところであの建物の上に人がいるが。」
「まずい、支配人に見つかったみたい。」
黒妖精がそう囁くと雨野虹は悪寒を覚えた。
少し離れた建物の屋上に仮面とマントを身にまとった者がいた。
「おい、黒妖精。おまえ裏切ったのか?」
仮面の男は甲高い声で黒妖精に問いかける。
「ここは一旦逃げないと。今戦うには分が悪すぎるよ。」
黒妖精は仮面の男を無視し、雨野虹囁く。
雨野虹は忠告に従い。仮面の男から逃げることとした。