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マンメイド・ディザスター
天野虹の行く手を影が遮る。影は意識があるようでこちらに語り掛けてくる。
「大人しく力に従い、力を得ていれば理想が得られていたものを。」
影は天野虹を侵食し、洗脳を試みる。
天野虹は意識を強く保ち、影を分析し、隙がないか探す。
影は自然発生したものではなく人の手で作られた存在であった。自分と同じく一人では何もできず、何も持たない者が強く望み続けた結果生まれた物体の一部であった。他者を恐れ、すべてを支配下に置きたいという傲慢さを感じられた。
天野虹は影の意思を全面的に認めない訳ではなかった。抵抗することもできたが大いなる精霊は影に対しほぼ無力であったため、対話をする覚悟を決めた。