15/25
マーベラス・ナイト
要塞都市の内部で黒子を待ち受けていたのは重厚な鎧を身にまとった騎士であった。
「待ちわびたぞ。我が宿敵よ。」
黒子はその騎士とは特に面識はなかったので人違いではないかと思った。もしくは宿敵の意味を理解してないのではないかと考えた。
目の前の騎士からカケラの力が溢れているので目標であることは間違いない。黒子は速攻で決着を付けようと魔力炉を全開に、刃を騎士に突き立てる。
騎士はその刃を素手であっさり受け止める。この騎士は鎧は着ているが武器は持っていないという不可解な装備であった。
「せっかくの再会なのに味気ないな。」
騎士はあっさり刃を折り、黒子に鉄拳をお見舞いする。黒子は要塞都市の内壁まで吹き飛ばされる。黒子は痛覚を感じない体であったが神経回路を破壊されたようで意識が遠のきそうであった。
「お前は。」
黒子は確かにこの騎士とであったことがあった。しかし、その記憶を呼び起こすことはできない。
「残念だ。昔のお前は強かった。だが今のお前は別人だ。」
騎士は容赦なく手刀で黒子を真っ二つにする。