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第4話 女だらけの学園生活

ヤバイと噂の未だに名前のわからない公爵令嬢とイオリ・モノル侯爵令嬢の間に挟まる部屋が私の拠点となりました。ここを足掛かりに学園権力掌握を目指します。何回だって宣言します。


部屋は個室(低学年は相部屋)です。与えられた部屋に入ってみると、狭すぎず広すぎず、1人で住むにはちょうどよいくらいの広さ。色々と探索したいのは山々ですが、己の体調管理のためにも睡眠時間はしっかりとらなくてはいけません。

明日からどう行動すべきか考えつつ、私はベッドに入って一日を終えるのでした。




手始めに学園生活がどのようなものか完全に把握することにしました。


朝。

起床後、食堂の朝食は決められた時間帯でしか食べることができません。逆に言えば決められた時間内であれば好きな時に食べられるということです。皆、ゆとりをもって食事をしていますが、限界を生きている、言い換えると寝坊した者が全力で栄養を摂取している様子もたびたび見ることができます。食事後は授業開始までに身支度を整え、校舎の方へ向かいます。


午前中。

基本的には4コマの授業。内容は、数学や語学、地理に世界史、自然魔法学、物理学などなど。第2・3コマ間に休憩時間はあるもの、教室間の移動時間を無視したのではないかと言わんばかりのカリキュラム編成が時々見られます。地下2階で授業が行われた後に次は5階なんてこともあり、そのたびに学生たちは必死に教室移動をしています。私も他の学生たちと一緒に階段をのぼっていますが、1人でいるときは誰にも見られていないことを確認してから校舎外壁を登攀したこともありました。


そして、昼食休憩。

さすが国立名門教育機関にもかかわらず学費を上流階級からむしり取っているだけあって、立派なカフェテリアを併設しています。学生たちはそこで食べるもよし、外でピクニック気分を味わうもよし、という様子で昼食を楽しんでいます。目が覚めたら1コマ目が終わっていた者はこのときに全力で栄養摂取に励みます。


午後。

またまた授業が3コマあります。あっちへこっちへ入り組んだ構内を移動することもしばしばなのですが、都を庭に走り抜けたこの私です。迷子になることはありません。午前同様無茶なスケジュール追行のために、ときどき階段ショートカットを決行して、教師に怒られている学生もいます。このとき目が覚めた者は、また明日頑張ろうと明日への英気を養います。


夜。

時間になると学生は校舎にいることは許されていません。残っていた場合は反省文の罰があるので、皆速やかに寮へ戻り、夕食や自習などをして一日を終えます。


平日はこれの繰り返しで、休日は各自自習したり遊んだりとしているようです。外出届を受理されれば、都に繰り出すこともできます。学園は都の郊外に位置しているため、すぐに行けるという訳ではないですが。ちなみに私の場合はこのところの休日は全て自己鍛錬に費やしています。


幾日が経過して私も学園生活を把握、無事溶け込むことができました。良く話すのはシエナさんにカイネさん。他のクラスメートとも話しますが、やはりこの二人が多いです。

寮の隣室のイオリ・モノルとトラブルメーカー公爵令嬢は特に動きもなく(時々隣から爆音が響く程度)、未来の権力者たる私らしくない、穏やかな時間を過ごしていました。




とはいえここは混沌渦巻く令嬢ロードの最前線、事件が起きないはずがなかったのです。

それは相談という形で私のもとに舞い込んできたのでした。


ある休日の前の日、私はシエナさんからこっそりと放課後寮の裏に来てほしいと頼まれました。

おっ、喧嘩かな?と思いましたが、癒し系に分類される彼女がそのような手段を用いるとは考えづらいです。きっと何か別の目的があるのでしょう。


彼女の指定した通りにその場に訪れてみると、


「どうしよう……、花壇のお手紙が来なくなっちゃった……っ!」


そう言われてシエナさんに泣きつかれてしまったのです。


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