#5 ヴィラル皇太子殿下と婚約?(前編)
間違えて、先に#6をしてしまってましたっっ!!!ごめんなさいm(_ _)m
お待たせしましたっ!
どうぞっっ!!
只、そこに存在だけの花のように景色に溶け込んでいた。親しくない方の挨拶にはそれとなく応える只の貴族。…のように気配をできるだけ消していたのに。…なぜこうなったのだろうか。
私は、今日の主役の一人である第二皇太子殿下に捕まっていた。
「クラリエス公爵令嬢。私と踊っていただけませんか?」
第二皇太子殿下…ヴィラル殿下は、私に恭しく手を差し伸べながら人に好かれそうな笑顔を浮かべて誘ってきた。だかしかし、胡散臭い。化かされるの?
…やばい、狐の耳と尻尾が見えてきた。気のせいだよね??…ちょっと、待って。笑ってるけど、目が笑ってない。
ヴィラル殿下が、何を思っているのかは判らない。だが、私と密に会話がしたいのが何となくわかった。
「…喜んで」
音楽に合わせ流れる様に踊っている。ヴィラル殿下は慣れた手つきで、私をリードしてくれた。
「それで、私をダンスに誘ったのは何用でございますか?」
「おっと、バレていましたか。…実は、私と婚約してもらいたいのです」
(は???)
爆弾発言が落とされた。緊急事態すぎる。
いきなりの事にびっくりしながらも微笑みを崩さなかった私は偉い。よく頑張った。そして、この皇太子は何を言っているのだろうか?理解に苦しむ。確かに未だ誰かと婚約するという話が私にこない。でも、それには理由がある。私のある特徴と頭の良さから婚約や見合いの話は絶えないが、わたしの真名がとてつもない事と容姿、父の親バカが発揮されているからだ。
「クラリエス公爵とクラリエス公爵夫人からは、ちゃんと了解を得ている。ただ、君が良いというのならの話だ。詳しいことは夜会の後、王城でだそうだ」
…ほうほう。ん?だそうだ??
ヴィラル殿下の急な爆弾発言を頭で噛み砕いているうちに、ダンスが終わってしまった。
とりあえず、嫌とは言えない雰囲気なのでこの話から逃げることは諦めます。はい。
「…分かりました。…お相手ありがとうございました。ヴィラル皇太子殿下と踊れるなんて光栄でしたわ。それでは後ほど」
被っていた猫が外れそうになった私は、早口にヴィラル殿下に別れを告げ、さっとその場を離れた。
よし、何か飲み物を貰おう。冷静になろう。スーハースーハー。うん、無理だわ。あら、あのチョコレート美味しそっ。あ~ん。パクっ。モグモグ。甘〜い。美味し〜い。
ちょっと、精神回復。食べ物最強。有り難い。
軽食エリアの美味しそうなケーキたちを食べつつ、フランソワさんとメリソナさんが話しているのを聞いていた。
話していたのは、第一皇太子殿下と第二皇太子殿下の噂だった。
読んで頂きありがとうございます!!
今回は、やっと物語が動き出したかもしれないところです。ワァ━٩(*´꒳`*)۶━イ
それでは、また次回気長にお待ちください
m(_ _;)m最後までありがとうございます!