40 PVP【player vs player】
本日はもう一話、投稿します……
今、俺の目の前にいるのは『愚王シリーズ』といった装備を身につけた鮫島だ。
まるで本物の王様を真似るかのような鮮やかなマントや、布、その上、上品さを漂わせているように感じる……やれやれだぜ。奴隷の俺には、似合わないな。
――それに、外見だけでは無い。いつも自信に満ちたような顔をしている鮫島の表情が、人を見下しているような表情に変わっていると俺は思った。
それと同時に、戦ってみたいという気持ちも昂ぶる。奴隷が王に勝つ―――面白いじゃないか!
俺は……鮫島と戦ってみたい…虐められる側が勝つ瞬間をみんなに見せたいんだ。
俺と火憐をダンジョンで見捨てた事を、悔やんで欲しいっていう理由もあるけどな。
そうやって闘志を高めている時だったよ。クラスメイトの、女子が核心を突く疑問を発言したんだ。
俺はびっくりしたよ。こんな簡単な疑問に何で辿り着けなかったのかって……
その女の子は、申し訳なさそうな表情で鮫島に向かってこう言ったんだ。
「鮫島君……プレイヤー同士で戦闘なんかできるの?」
肝心な事に気付かされた。たしかに……俺は化け物としか戦闘していない。いや、寄生状態の火憐とは戦闘形式に なった事はある。でも、あれは特殊な状況だろう。
ほら、見てみろ。女子の発言後、俺と鮫島はもちろん、クラスメイト達の表情が暗くなっている。
恐らくプレイヤー同士の戦闘が見られないと思っているのだろう。俺も、そう思った。
―――でも、戦えるんだよ。プレイヤー同士でも………
俺の目の前に、突如表示された画面にハッキリと映っていたんだ。
【……プレイヤー『鮫島』と…戦闘を行いますか?………】
【……DO…or……NO…】




