23 騎士装備【一式】
氷華と話してみてよく分かった。
『王』であるはずの鮫島が、なぜ化け物相手に全く歯が立たなかったのかが。
それは、装備をしていなかったからだ。
理解できた蓮は、氷華に質問をする。
「どうすれば装備品は手に入るの?」
「これの事かな、、横穴に入れば見つかるわよ。ほら…」
氷華は徐ろに自らの胸に手を当てて、装備ステータスを見せてくれた。
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●安藤氷華
○装備ステータス
●全装備…聖騎士シリーズ
●装備可能な職業…『騎士』『王』
●必要なレベル…50以上
●防具
・頭→聖騎士の鉢型兜⚫︎全防御数値×3
・胴→聖騎士の銅鎧⚫︎全防御数値×3
・腕→聖騎士の腕当て⚫︎全防御数値×3
・腰→聖騎士の腰当て⚫︎全防御数値×3
・足→聖騎士の脚当て⚫︎全防御数値×3
●武具
・両腕→聖剣《ホーリー・ブラッド》)⚫︎全攻撃数値×10
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――な、なんだこれ
「ふふふ!どうよ。聖騎士シリーズを集めるのに時間かかっちゃったけどコンプ出来たわ」
氷華は自信満々に腰に手を当ててドヤ顔をしているが、正直ステータス画面に見入ってしまって、どのような表情をしているのか分からない。
す、すげぇ… 掛け算的に能力ステータスが上げるのかよ
驚いているのは、蓮だけではない。
隣にいる火憐も口をパクパクさせながら装備ステータスに見入っていた。
「あなた、防御値どうなってるのよ…」
「物理・魔法共に170万くらいね、ははは」
「170万ってあなた、、、」
「あはは、あっ、そう言えば」
氷華が急に横穴の方向へ走っていく。
突然の出来事に、火憐は混乱していた。
「え…え…?どこ行くの!」
「王の魔法で見させてもらったけど、あなた『魔道士』ね。装備品が近くにあったから持ってくるわ」
「ありがと…」
「何も装備せずにここを歩くのは危険だからね〜」
横穴に戻っていく氷華の背中を2人は、ただ見つめる事しか出来なかった。
「蓮の幼馴染って、変わってるわね」
「否定はしないよ…」
あれ?…でも何で、俺には装備品を持ってきてくれないんだ…
蓮は顎に手を当てて考えている。
そう。彼らは目の前の氷華に気を取られすぎていたのだ。
【ザッザッザッ】
氷華に注目していたせいで気づいていない。
――後ろから最大の脅威が迫っている事を
「にゃ〜〜ん」




