治療
目を赤くした少女を連れて探索者の集い場。その内の一角にある治療室へ向かった。
「あ〜、君が言ってた子ね。確かに腕がない。ただ処置は上手いね。これならキレイに生やせるだろう。ただし、痛いし治っていくのは見ないほうがいい」
「それは、どういう?」
「腕の付け根から骨と神経、血管に筋肉、皮膚を一気に再生させていくからグロい。あと俺の魔力が足らなくなったら一時停止して再開するまではそのままだから」
「「あ〜・・・」」
「この場にいる3人分の魔力を纏めれば、ノンストップで治せるだろ?」
「多分ね。ただもしも変なふうに、例えば明らかに異常な骨の生え方をしてたら止めざるをえない。それでもいい?」
「おねがいします。元より諦めかけていたのが治るなら」
「それからもう一つ。ベッドに横になりながら治療することを薦めるよ。血が無くなってた腕に流れて、多分貧血起こすから」
「分かりました」
「じゃあやるよ。光の精霊、加護を与えん、新たなる息吹、芽生えと調和、大いなる虚無」
「風の精霊、加護を与えん、糧となりし、魔力の息吹、行使する者」
「う、あぁぁぁぁぁあがぁあぁ!」
少女の無くなった無くなった左腕が少し盛り上がったと思ったらメキメキと骨と肉を伸ばしていった。
ミシミシと無理矢理骨を伸ばしているような音が聴こえるから相当な苦痛なのだろう。少女の口から獣じみた悲鳴が上がる。
魔力の譲渡を行ないながら、心の中で応援だけする。
肘まで治った所で魔力の譲渡が出来なくなった。
クラクラとする頭と身体を叱咤して魔力回復用の霊薬を飲み、魔力譲渡を再開する。
手のひらが半分ほど治った所でまた魔力が切れる。
霊薬を、と思ったが治癒師から手で制せられた。あとは大丈夫ということか?
朦朧とする意識の中で少女の白い腕が完治したのと血の気を失って真っ白な顔をしているのを見て、気絶した。
間に合った…?




