ヒヒイロカネの刀
洞窟奥の小部屋にあった資料に武具類を全て回収し、一度洞窟から出た。
なんとなく狭い所にいると落ち着かなくなるもので外に出て二人して背伸びをした。
「これで帰還すれば依頼達成かな?」
「そうですね。あとはこちらで資料を精査して、ヒヒイロカネの活用への道を探します」
その中にはヒヒイロカネの採取も含まれるのだろう。
そうなるとまた自分に仕事が回ってくるかもしれない。
採取に価格設定、加工の手間や合金の作製。
やることはたくさんある。
「『広域探査』・・・・う〜ん?近付いてくるのがいくつかいるな。さっき見つけたカタナ使ってもいいかね?」
「ええ、どうぞ。実戦テストになりますね」
近付いてきていたのは上半身は人間、下半身は羽の生えた球体という異形。羽玉人間だ。その数5体。
尚、上半身と下半身を両断すると別々に襲いかかって来るくらいには生命力が強い。
「『念・身体強化』」
最も近付いてきていた個体は上半身の首を飛ばし下半身も横に両断する。
いい切れ味だ。骨を断っても刃こぼれもせず、多少の抵抗だけで羽玉人間を切断できる。
魔法を込めるのはどうだろうか?
「『修羅烈風斬』」
回転しながら放つ5連斬撃。これで3体が地に落ちた。
残り1体。
念はどうだろうか?
「『平突』」
念で刃を形成、伸ばす技。
少し遠くて心配したがしっかり届いた。
物理、魔法、念。どれも能力が向上した。触媒としてとても優秀なようだ。




