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天候刀
キィィィィンと金属を削る音が響く中でベヒモスと相対する。
少女は作業、というか魔法の制御に集中しておりベヒモスの出現には気付いていない。
「さて、全力でいこうか『風纒鎧・修羅』」
切り札であった風纏鎧を更に昇華した術・念複合技法。
全身を風と雷が覆う。また風は刃として撃つことも出来る。水があれば雹を撃ち出すことも可能。
天候そのものを纏う鎧。
ぐるあああ!とベヒモスも叫ぶ。
が、雹を芯に、風を巻き付け、雷を纏う剣で両断する。
これこそ真骨頂。天候の力を剣とする『天候刀』。
先程もこれを使えばすぐにベヒモスは倒せた。
が、例えば少女がこの力を吹聴したら?盗賊に対策を立てられたら?
切り札とは初見である時にこそ最も有効なのだ。
その後も風刃で怪物を寄せ付けず、ついに作業は終わったのだった。
「中に何か入ってます!」




