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ヒヒイロカネの棒
「つまり・・・・・」
「ヒヒイロカネを切断しないと中身が確認できない、ということですね。でも・・・・」
高強度のヒヒイロカネ。これを切断する術が今はない。いや、全力で時間を掛けて集中すればなんとかなるかもしれない。
ただし中身が何か分からない以上、あんまり乱暴なことは出来ないし制御にも気を使う。そこまで出来るかと言われると自信はない。
理想は先端の方だけスパッと斬り裂くこと。
「風だとそこまで収束するのは厳しいと思う。どうする?これだけ持って帰って剣士とかに頼む?」
「いえ、水を高圧縮して撃ち出せばなんとかなるかもしれません」
金属を水で斬れるのだろうか?まぁやってみてもらおう。
ヒヒイロカネの棒を持って一度外に出た。
「水よ、集いて刃となれ。鋼を切り裂き、断ち切れ。紅き水、我が剣」
脈動する赤い水の剣。ヒヒイロカネを切れるのだろうか。




