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断
ぐるあああああああああああ!!
ベヒモスが咆哮する。
『手負いの獣には気をつけよ』という言葉がある。
人間はもちろん、怪物もそこらの動物も生きている。死に対しては全力で抗おうとするものだ。
『風槌』で殴りつつ少女も鞭で攻撃を続ける。
さらに天災規模の風を起こす魔法で追撃する。
「風の精霊五柱、逆巻く風、流れる風、留めるものを吹きとばせ、爆風嵐弾」
5連続の台風の塊をぶつける。ダメージが蓄積している今ならこれは痛打につながるはず。
ここで少女が詠唱をしながら飛び上がった。
「水の精霊たちよ、我が剣へ、あらゆるものを切り裂く刃を、大剣形態、水念技『断』」
ベヒモスの直上から水のギロチンが落ちた。




