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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
狩人は笑う
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判決

お久しぶりです!!やっと更新できました。せめて、この話をいいところに着地させたいのですが.....

物理的に排除された妖刀。

刀身は折れても、まだソレに意識はあった。


消えたくない。

終わりたくない。

命を。

血を。


魔力を。


欲せども己は動けず、生物の体を乗っ取らねば僅かな移動もできない。



だから、ソレに出来るのは念じること。

来い。

我を欲するモノよ。

手に取れ。








刀身が半ばから折れ、縦に圧力を加えられたことで妖刀は全体的に亀裂が走り、辛うじて形を保っている、という有り様だった。


妖刀が元々動かしていた死体は水鈴が破壊した。こちらは損壊が酷すぎて持ち帰ることは出来なかった。


妖刀に神経を犯され伊角によって腹に穴を開けられたら術師の少年は一命は取り留めたものの、出血多量により昏睡している。ただし、これには友の仇をとったこともあり緊張が切れたことも関係するだろう、ということでゆっくりと眠らせている。


水鈴と伊角は『刀』の補修を受けるため数日休養を取り、また依頼を受けていた。




「さて、色々と思うことはあれど落着だ。お前が思い描いたようにはならなかったな?」

「うぐっ......がはっ」

『刀』の技師達が集まっているが、そこは鍛冶場でも研究室でもない。


あえて言うならば尋問室、であろうか。



かの騒動の外で『小烏丸』に次いで『蜘蛛切り』という『刀』の代償として働くことになった哀れな狩人がいた。

内容は討伐対象に接触した技師がいたため、身辺調査及び制圧・確保。


件の討伐対象は元々は個人の危険性故に何の支援もなされていなかった。

そんな人物が妖刀なんてどうやって手に入れたというのか。


その答えが確保された技師だ。

妖刀と思われたのは、実は『刀』であり、能力も『凶化催眠』と『治癒力促進』『魔素収奪』というものであった。



あまりにも危険な『刀』を申告もなく制作し、秘匿。更には危険人物にそれを貸与するという、今回の黒幕ともいうべき人間だ。


「わ、私はあの使えない狩人を使えるようにしようと....」

「その結果、何人死んだと思う?」

「それら以上の強さがある、としょ、証明されたわけで」

「言い訳はもういい。お前には今後技師として働くことは許さん。これは狩人の一員として以上に、我々技師の名誉を大いに汚し侮辱した罪だ」

「ひっ!!許して」

「両腕切断を言い渡す」

「ひっぎっ......!あぁぁぁぁぁぁ!!!!」




眠り続ける少年はまだ何も知らない。

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