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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
狩人は笑う
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お久しぶりです。なんか、ブックマークしていただいた方が増えていた....!!!

Db×Wの方も更新していなかったのに1万PV達成して、ブックマークも増えていて.....本当に更新出来なかったことが申し訳ないです。


ちょっと立て込んだのと、ストレスが大分ヤバい方向にいった為です。更新はまた出来るだけやっていきますので、宜しくお願いします。

「あちらはなんとかなりそうだな」

伊角の言葉には信頼と安堵が混じっていた。


水鈴の体内炸裂は理屈の上では知っていた。

それを水鈴以外の誰かが実行できるとは思わないが。



近距離では貫通し、距離を取っても硬い場所に当たらなければ炸裂しない。


故に近距離と遠距離のピタリと中間を見極め、正確に骨や歯といった箇所に着弾させなくてはならない。その際には当然皮膚や筋肉などで僅かながら弾丸の威力が減衰するため、それすらも計算に入れなくてはならない。


それを動き回る生き物の身体でやっているのだ。

夢物語か机上の空論と呼ばれることを初めて目にした時は緊急時でもあり、出来るならソレでよし。と考えたものだ。後から思い出してなんだそれは、と頭を抱えたが。



何はともあれ、水鈴はやり遂げた。

あとはこちらの術師の少年を助けるのみ。


伊角は組み伏せた少年を見やった。

腹に刺さった刀を押さぬように、ただし身じろぎすら出来ないように。

伊角の腕力や体重移動、人体の筋肉の動きを阻害するように重ねられた指などによって、それは成されている。


体に痛みを与える拘束では痛みを無視して動かそうとしたため現在の形になった。生身の腕はその時に折れた。神経や腱でも切断した方が早いかとも思ったが、後々の後遺症の可能性を出来るだけ低くしたかったために却下となった。



「さぁて、覚悟せよ」

それは妖刀と、腹を貫かれ根を張らされた少年、両者への言葉だった。



「『貫突(カントツ)(カイナ)』」

どぼぉっと伊角の拳が妖刀を押し込むように、腹を貫いた。


「ごぼっ」

と衝撃によって咳き込んだのか、血を吐き出すためか。

刀の薄い(・・)穴から大の男の拳大の穴に広げられたのだ。


「気を保てよ」

ばしゃっと傷口にかけられたらのは治療薬か。恐らくはかなり高位の治癒魔法薬(ポーション)だろう。


体の無事な部分から欠損した部位に何か(・・)が流れて行った。次いで感じるのは身体全てに及ぶ猛烈な倦怠感。その頃には腹の痛みは感じなくなっていることに気付いた。



「ほれ、飲んでおけ」

治癒魔法薬と気付けの混じった液体を差し出され、一気に呷る。



その味に顔をしかめながら、辺りを見渡すとバラバラになった死体と無事らしい水鈴、そして甲冑姿の伊角がいた。



「ありがとうございます」

命と仇の、大きな恩。


それに報いる方法はわからないが、これだけは言わなくてはならなかった。

伊角の拳によって妖刀は周りの根ごと物理的に除去されました。代償は腹への大穴.....。どっちがマシなのかっていう.........。

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