血死
短めです。
「ふぅむ.....確かに、ちと厄介よな」
全身甲冑の移動すら攻撃にする近接戦と符という分かりやすいが近付けば威力のある対術師、更に遠近どちらも隙なく牽制・援護・攻撃と臨機応変に放たれる狙撃。
それら全てを同時に相手どらなければいけない。
戦闘が始まり既に10余分。ここまで凌ぎ続けているこの男もまた異常ではある。
身体には打撲痕に銃傷痕、いくらかの焦げ痕。
それらは自身の血で妖刀の能力を使い治したようだ。
対してこちらはずっと格闘戦を挑んでいる伊角は体力的に、ずっと戦況を把握し必要な場所へ『牙』を撃つ水鈴は集中力が、自分も大物の怪物を相手にするよりも既に大量の術を行使しているために精神的に。三者三様に、疲労している。
相手に疲労は見られない。
戦闘中は疲労を感じないようにでもなってるのか。
「『赤朽葉』!」
「ふむ、それも何度も使っているな」
大きく跳躍する。
空中では地上のようには動けない。
その隙を水鈴が狙う。
「何度と見た物はもはや、通じぬ。『空舞』」
空中であるはずなのに、だん!と音がした。
『空舞』。移動補助の念であり、自身の念で足場を作るものだ。その足場の強度や規模は使用された念の量に比例する。
『牙』が回避される。
目の前に降り立つ。
残されている右腕に符ではなく『刀』を掴む。
友の仇。
剣術の心得などなく、ただ振り回しただけのそれは容易に手から弾かれた。
「あぁ、そういえば左腕は俺が切り落としていたな。今左腕があれば術で迎撃できるものを」
そうして『雲切り』が振り上げられる。
伊角と水鈴もこちらに向かっているが、間に合わない。
「血を、もらおう」
2人の足下に大量の血が撒かれた。
この続きを書いちゃうとなんか、ぐだぐだになりそうなので、一度切ります。




