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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
狩人は笑う
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優位に立つは

ついに『獅子王』と『虎徹』が起動します!

「小童が、言いよるわ」

瞬間、姿がぶれた。


咆哮(起動)せよ、『獅子王』ォォォ!」


例えるならばそれは、音の衝撃。


ビリビリと空気を震わせて、グラグラと地面を奮わせて。

それは獅子の顔や手足を模し全身甲冑であった。


「『縮地(シュクチ)』!」


この甲冑と本人の体重を合わせ、どれほどの質量であろうか。

まだ10代の自分の3~5倍はあるのではないだろうか。


そんな大質量の物体が凄まじい速さで体当たりを食らわせる。



幽鬼のような、といった表現をしてきたが、改めれば人間である。

体当たりを受けて5メートルは吹き飛んだ。


『縮地』は身体強化の念だ。両脚と腰、背中に集中して強化をする。移動するために使う筋力を強化することで高速で移動するものだ。

しかし、そこに大質量の甲冑を身に纏えば、移動だけで攻撃となる。


見たところ伊角は甲冑になった『獅子王』を纏うだけで他の武器は持ってないように見える。

事実、先ほどから攻撃は籠手や脚甲などによる格闘のみになっているようだ。


しかし鋼を纏う拳も脚も十二分に凶器足りうるようで討伐指定(あの男)も回避に専念し、時折反撃しては剣が甲冑にぶつかり甲高い音を立てていた。



「『赤朽葉』『唐紅』『梅重(ウメガサネ)』『葵』『群青』!」

拘束と火球と水球、更に殺到する火と水の豪雨の如き弾幕。


それも大きく移動をすることで回避してしまった。


「小僧、貴様の術はある程度の距離にしか出せぬようだなぁ」

ニタリと笑う。


そしてその通りである。でなければ術などどこまでも進み意図せぬ破壊をするか滞空し残り続けることになる。

そんなもの、障害物にしかならない。

だから術者は自分から遠く離れた術は制御を手放し無力化して消滅させたり、自然に消えるように術を編む。


自分は後者であり、自分から20メートルも離れたら勝手に消えるようにしている。


だからある程度近付ければまた有効射程に入る。

しかしそれをすれば嬉々としてこちらを狙いに来るだろう。



術師は剣士に近寄って戦ってはいけない。


ソレは剣士が敵でも味方でも変わらない、基本中の基本。



大質量の甲冑と高速の剣が振るわれる戦場に自分は入れない。



そう自分は。




「射抜け『虎徹』」

ぴぃん!


「ぐっ!」

討伐指定の男が吹き飛ぶ。



「なんだ今のは....?」

「『虎徹』の『牙』だ」

長さは本の2倍に、太さは5倍ほどに巨大化した『刀』を掲げ美鈴が淡々と答える。


見れば円錐のような物があの男の背後から転がり落ちてきた。



『獅子王』が全身甲冑に変わるように、『虎徹』は銃に変わる。

ただし、弾丸は特別製。独特の円錐形をして『牙』と呼び表す。至近距離では貫通に特化し、遠距離においてはその衝撃を着弾した全方位に撒き散らす。弾速は音の速さであり、遠近どちらも視認してからの回避は困難。


さながら高速機動をする戦車と光の早さで射抜く槍。



「俺がお前に付いて近接戦をし、後ろからは符術師による広範囲重火力、それを水鈴が援護する。さぁ、まずはその魔剣を砕かせてもらうぞ」


符術師が空気.....

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