確認と参戦
またブックマークが....!!
どなたかは知りませんが頑張ります!!
が、ぎぃん......!!!
響く金属音。
がっ、ぎぃん、ぎん、ととんでもない早さで音ばっかり続く。
『獅子王』の伊角が大剣...のような金属の塊を叩きつけていた。
それを和刀で受け時折反撃すら行う仇の男。
普通に受ければはるかに細い造りの和刀が折れてしまうだろう。それなのに折れずに戦っているのはどういう訳か。
「私もいるのを忘れるな」
ひゅひゅひゅん!
「!」
「余所見とは余裕よ、なぁ!」
がごぉぉぉん!!!
討伐指定が後ろに飛んで距離を取る。
「怖い怖い。瞬きの間に3度も突きが出来る女、その女に気を逸らせば男の方が気を逸らすことを許さないとは」
つまりは『虎徹』の水鈴がわざと声を掛けてから3連突きをして、そちらに注意を向けた瞬間の隙をさらに伊角が狙った、と?
それを全て捌ききった男の技量もまた異常。
「いいや」
「おしいな」
「なに?」
「私は伊角の大振りを避けた貴様を確かに貫いた」
「ほう....あの刹那でまた振っていたか」
「元よりこれらは確認作業よ。そして確認出来た」
そう、これは事前に2人には話していたこと。
「お前さん、どんなタネかは解らんが傷を負わないらしいな」
「いや、僅かに血が付着している。傷が治ったのか」
そう、俺とヤマトがどれだけ攻撃しても倒れなかった。ヤマトの剣はともかく、自分の術が当たったかどうかは分かる。
奴に直撃しているはずの術。恐らくはヤマトの剣だって当たっていたはずだ。それでも尚、生きている理由。
「明答だ」
ニヤリ、と笑う男。
「いつの間にかの、どれだけの傷を負っても瞬く間に癒えているのよ。ついに我が身もいかれたかと思ったが、別の理由がちゃんとあったわ」
そうして剣を掲げて見せる。
「この剣がのぅある日語りかけてきたのよ。『生き血と引く換えに常に戦いの中に身を置けるようにしてやろう』とな。いやはじめは俺の血を与えていたのだがな、気付いたのだ。敵を斬っても傷が癒えることに、な」
「だから血に飢えていたのか」
「あくまでもこの剣の対価としてだが、やはり生き物を斬るのは気持ちの良いことだろう?」
「所詮は血に飢え堕ちたのは変わるまいよ。しかし、その刀...まさか」
「魔剣か.....」
魔剣.....!
同じ武器を使い続けることで怪物の血に含まれる魔力が武器に染み込み魔力を帯びるようになる。
そこに使用者の思いと傷つけられたらモノの心により特性を獲得する。
それらを魔剣、もしくは妖刀と呼ぶ。
どちらも武器に意志が宿り所持者に『取引』を持ちかける。
「おいおい、せっかく和刀が魔剣化したんだ。妖刀と呼んでおくれよ。妖刀・雲斬りとな」
「まぁそんなことはどうでもいい」
「多少.....お前を殺すのに一手間加わるだけのこと」
「今までも魔剣妖刀などいくらでも殺してきたわ。それらの対処法はほぼ同じ」
「先に武器を砕いてしまえば能力は使えまい」
「それとも全身くまなく潰してしまえば再生できまいよ。あとは貴様の心が屈するまで殺し続けるのでもいいなぁ」
「....やれるものならやって」
「『唐紅』『赤朽葉』『葵』」
火球が、砂の拘束が、水の玉が、殺到し最後まで言わせない。
「彼もいるのを忘れちゃいかんだろう。この中で最もお前さんを殺したいはずだ」
「私たちも殺したくて仕方ないけどな」
「そこはほれ、責務と私怨の違いというものよ」
「そうだったな、3人分の血が見れるのだった」
「やれるものならやってみろ」
私怨の符術師が参戦する。
新しい符術の紹介
葵→唐紅の水バージョン。唐紅のイメージは火遁・豪火球の術です。




