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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
歴史を紐解く鍵
139/140

獣爪閃、対するは

「『獣爪閃!』」

「よかろう!来い!」

「援護を!」

「「手出し無用!」」

ヘイジュンが槍を構えて突進する。相手も迎え撃つべく白と黒の双剣を抜いて構え走り出した。それを魔法で支援しようとした者を二人に怒鳴られた、という所だ。


「部門長!ヘイジュンだけでは!」

「いざとなれば私が止めに入ります。それまでは二人の好きにさせなさい」


まぁ、そうなるな。ちなみに獣爪閃と銘はつくものの形はごく普通の槍だ。装飾もない。赤茶がかった金属で造られ握る部分にだけ革が巻かれている。能力は所持者への筋力増加。そしてもう一つ。


槍は双剣よりも長い。双剣は通常の剣よりも短いくらいだろう。もちろんのこと、先に仕掛るのは槍だ。突進の勢い、体重移動、強化された膂力をもって繰り出される突き。そして連撃。時に剣を絡め取ろうとするように回される。それらの重さ、速さ、技に秀でた連撃は全て迎撃されいなされる。時に躱し流し、払う。

金属音は鳴っているが、なんと言うのか音が完結しない。がきん!という金属音は鳴らず、がきききききき!とずっと音が鳴り響いている。


双剣は両の手から、単純に言えば手数にして槍の2倍は出せるだろう。無限に続くかのような金属音は二つの金属が絶えずぶつかり合っている証左でもある。ヘイジュンは槍の石突や柄の部分も使い攻防一体の練武をしている。合いの手のごとく双剣が振るわれる。


「かかっ!見事なり!」

がきぃん!と双剣が大きく振るわれる。力ずくでヘイジュンを弾き飛ばしたらしい。

「よもや幾星霜の眠りから覚めてすぐ、これほどの槍術が見れるとは思わなんだ!どれ、こちらも槍に変えて更に血湧き肉躍る戦いをしようではないか!具現宝貝『三仙剣(サンセンケン)』」

三叉の槍?のように見える新しい武器を取り出した。


「これはのぅ、仙人の鍛えた剣じゃ。一度振るうだけで」

ざん!と床に刻まれる爪痕の如き三つの剣閃。

「さあ、いかにする?」

「こちらも能力を明かすのが筋、か」

ヘイジュンは構えをといて槍の刃を床につける。すると床に刺さることも、音を立てることもなく、曲がった。蛇のように自由自在に形を変える槍。

「この獣爪閃には動物の能力が秘められている。今ならば蛇の如き柔軟性と毒性を再現させている。変幻自在。剛と柔と併せ持つのが獣爪閃だ」

「「改めて、勝負!」」

三閃の盾と突きを見舞う相手と蛇の顎のように柔軟にして鋭い一撃を振るうヘイジュン。




決着は直ぐに着いた。

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