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遺跡街の仕事人  作者: 黄野ポピー
歴史を紐解く鍵
135/140

結界破り

煙が晴れた室内。

火傷や衝撃によって吹き飛ばされ負傷したもの。

最低限の家具として置かれていた椅子とテーブルの残骸。

そして、何名かの無事な者と横たわった棺桶。


混沌という言葉が相応しい室内。

無事なものは周囲の、正しくは先程の『棺桶』から出ていったモノを警戒し、安全を確認すると負傷者の手当を始めた。



二つ名持ちの探求者はその判断も早い。

治癒術の光、回復薬を開ける音、部屋の外へ治癒術の使える者を呼びに走る姿。

冷静に、だが素早く、各々が出来ることを行う。


今は負傷者の対処が優先、というわけだ。

一段落すれば先程のモノの考察が始まり、対策チームが組まれるだろう。



さてそんな中既に一人黙考しているのが結界を張っていた部門長である。


「どうしました?考察ならあとで皆の意見を纏めるんですから、その時でも良いでしょう」

「ああ、いえ。私の張った結界をいとも簡単に破ってくれましたからね。通常の手段ではあり得ない。ならばその対策はどうしたものかと、つい考えてしまいましてね」

「そんなに意外ですか?莫大な魔力を声や具現化した物質に纏わせたのでは?実際に可能かはともかく理論上は不可能ではないと思いますが」

「いいえ、あの時張っていたのは通常の術としての結界ではなく、文字通りの『結界』‥‥‥外と内を隔てるものだったのです。理論上でも不可能なのですよ」


つまり、結界という名の壁を作る術ではなく、『結界』を境界線としてその外と内の干渉を一切遮断するものだった、と。

まるで一つの世界を形作るような魔法。

そんな魔法すら突き破ってアレは出ていった。


確かにあり得ない事態ではある。



「忙しくなりますよ。指揮は私が取りましょう。負傷者の対処が終わり次第、第四会議室へ集合!30分後に対策会議を行います」

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