挿入話 狩人の技師たち
「そんなことが認められるかっ!」
「しかし、これが合理的判断というのは事実でしょう。覆すならば相応の代案をお聞かせ願いたい」
「その前に確認するが、釧路よ。『刀』は十分な数が用意出来ておるのか?それともこれから用意するつもりならばどれほどの時間がかかる?」
「原状私が用意してあるのは二振り。『圧し切り長谷部』『鶴丸』。更に現在の『剣士』が所有する『小烏丸』『蜘蛛切』『九字兼定』です。他の方の制作刀も含めれば狩人の戦力の底上げになるのは間違いありません」
「そこに今現在。現役の剣士がいればそれほどことを急く事態とは思えんが?」
「現役の剣士と私が制作した『刀』だけでは少ないと思われます。せめてあと5本。5人の剣士の育成を奨めたいと思います。尚現役の剣士は『獅子王』と『虎徹』、先程私が作った『小烏丸』と『九字兼定』。そして『景光』の5名です」
「・・・・・・これから有事と呼べる事態に為るという保証は?」
「むしろこれまでは遺跡の浅い部分しか探索が為されていなかった。よくて中層の一部。より深い、危険な場所へ赴くときがないなどとは思えません。それと『刀』ではありませんが、現状の狩人の装備に使えるかと街の鍛冶職人と『銃』を開発しました。新しい術系攻撃の幅が広がることと思います」
「その『銃』とやらでは戦力不足を補えないと?」
「完全に補うことは出来ないでしょう。またすでに剣士達は独自の戦闘スタイルを持っています。『銃』はその他の狩人に優先的に回すべきと考えております」
「ふむ、相わかった。それでは技師たちには『開発中の刀の調整指示』を出し、狩人たちには『新しい剣士の発掘』をする旨を公示しよう」