挿入話 とある武器店 4
ここは武具店。武器だけでなく防具の類も売っておる。
ほとんどがワシの作品じゃが、弟子の習作が上手くいけば並べて安価に置くこともあるし、引退する者から買い取ることもある。
「良い盾があるって聞いてきたんだが、ここで合ってるか?」
「なんじゃ、お主は。ここにあるのは値段に相応しい武器防具じゃ。正しくその価値を活かせるかはお主等次第じゃろうが」
「はっ、ちげぇねぇ。少し見せてもらうぜ」
そういうと突如やってきた男は盾を物色し始めた。扱いは丁寧みたいじゃから、とりあえずはいいかの。
「じーさん、頑丈な篭手みたいのはねぇのか?」
「盾はいいのか?篭手はそっちあるじゃろ」
「俺は元々拳で戦ってたんだよ。盾を持ったら防御の幅が広がるかと思ったが、なんかしっくりこねぇ」
「なるほどのぅ。・・・・ふむ、この篭手はどうじゃ?」
「あん?なんだこれ、肘まであるのか」
「元々は狩人の『刀』のパーツだったらしいの。そこに肘の部分には杭を、腕の部分には刃を足したものじゃ。拳の部分は強度強化もかけておるし、内側には衝撃吸収材も使っておる。値ははるが良い品じゃ」
「腕自体が武器になるってことか、面白いな。いくらだ?」
「金貨50枚じゃ」
「随分と吹っ掛けるじゃねぇか」
「言ったじゃろうが。値段に相応しい物を置いておると」
「・・・・・・・・・よし、買った」
「毎度ありじゃ。もし壊れたら直してやるからもってこい」
最近は売れいきがいいのう。