鍛冶師と錬金術師の苦難 2
「もしも本当にヒヒイロカネとして機能しているなら、属性付与がなされてもそれを後から放出出来るのでは?」
「周りの金属はどうする?鋼鉄はともかく古代の技術で加工された貴重な玉鋼だぞ」
「とりあえず鋼鉄だけでも取り除いてからでもいいのでは?」
あぁぁぁ、終わらないぃぃぃ・・・・・・。
「あのー、ヒヒイロカネの抽出方法を話してるのはここですか?」
「ん、なんじゃ?今忙しい。用件なら明日にしてくれんかのう」
「いえいえ、抽出をお手伝いできるかもしれないので、売り込みに来ました。私を雇ってくれませんか?」
なんか新しい人が来たぁぁぁ・・・・・。
「ほう、ワシらが散々頭を悩ませとるコレを解決出来ると。そう言いたいのか?」
「かも知れない、ということです」
「面白い!話してみろ!」
「ようは、周りの金属を取り除いてヒヒイロカネのみを露出出来ればいいんですよね?」
「おう、そうじゃ。しかし玉鋼も出来れば鋼鉄も、無駄にはしたくない」
「それならばお役に立てるでしょう。そうですね。成功報酬で金貨5枚でいかがですか?」
「ふむギャンブルにはちと高いな銀貨で5枚なら手を打とう」
「よろしいので?現状を打開できるのに。金貨4枚」
「む・・・・・・・まぁいいじゃろう。しかし出来なかったらお前が金貨4枚を払っていけ」
「分かりました。でわ早速」
やってきた新しい人が鍛冶師代表の人と揉めていたが天幕の中に入ってきた。議論がまた続くのだろうか・・・・・。
「『金属変形』」
魔法?と思ったらサンプルに持ってきた剣からメタリックな何かが流れ出てきた。水銀のようなそれは新しく来た人の手に収まり固まった。
「とりあえず鋼鉄だけ取り除きました。申し遅れましたが、錬金術師のアルと申します」