鍛冶師と錬金術師の苦難
「これを、ここまで加熱すれば・・・・」
「しかしそれでは・・・・・・・」
「この周りとて貴重な資料になるから・・・・・・」
え〜、私探求者です。なんでここにいるんでしょう・・・・・・?
今目の前で繰り広げられてるのはヒヒイロカネのサンプルから不純物 (といっても鋼鉄や玉鋼とかそれ単体でも価値がある)を取り除いてヒヒイロカネそのものを取り出す手段を論議している。
いや、分かってる。元々このヒヒイロカネを持ち込んだのは私だ。だけどなぜ私ここにいるんですか!?
こういうの専門家だけでいいでしょ?なんで持ってきただけの私がこの場に呼ばれたんですか!?
ヒヒイロカネの性質として魔法属性を吸収する、というものがある。普段は魔法を使って金属を加工している鍛冶師や錬金術師にとっては魔法属性を付加させずにヒヒイロカネを取り出したいとのことだ。
魔法で高温にした炎では火属性がつく。高圧水流の魔法で削るのでは水属性が。圧力をかける方向も検討されたが、ヒヒイロカネがどこまで耐えられるか分からない。
という訳で議論が終わらないということだ。
ちなみにヒヒイロカネらしき物の精製は出来たそうだ。
そこは錬金術師を筆頭に大量に持ち帰った書類を精査し精製方法を発見したそうだ。
ただ、あくまで『らしき物』。本当にそれで合ってるのか本物の純粋なヒヒイロカネが欲しいとのことだ。
議論、いつまでかかるかなぁ・・・・・?