34話 旅の果て
紅い眼はそれほど珍しくはない。
旅中に幾人か紅い目の種族を見かけた。俺の経験則によると十、二十人に一人ほどはいる。
それもどんな種族も問わずに、だ。
だが、いずれの紅眼も”邪眼”の能力は所持していない。紅眼だからと言って”邪眼”になるわけではない。
そして、目の前にいる紅眼の幼子は間違いなく、”邪眼”を所持している。
同じ能力持ちだからか、直感がこの子は”邪眼”であると告げていた。
「パパ!見つけた!」
「おや、見つかっちゃいましたか」
とてて、とディーヴの元へ駆け寄り、指を指した。
「今度はパパが狼ね!」
「ああ、そうだね」
幼子の頭を優しく撫でている。
ディーヴの娘か。
「そういえば今あちこち声がするけど何があったのー?」
「はてさて…」
ちらりとこちらに視線を向ける。
「あっ!」
エンジェが声をあげ、俺の後ろに体を隠した。なんだ、と背後の開け放された扉に視線を向けるとメイドが立ち止まっていた。よく分からないけど、やばい。
ディーヴは大魔導士だ。見た目も真面目そうな上、高貴さすら感じる。どういう理由であれ王に突き出してやるという厳格さもあった。逃してはくれないだろうな…。
エンジェもどうやら逃げたいようだ。
俺がディーヴを抑えてエンジェを逃がすか…
「これはディーヴ様」
先ほどの猫耳メイドとは違い、背中に白い翼がある獣人。小鴉丸と犬猿の仲って感じの清楚系メイドだ。
ディーヴは娘を抱え、娘は手を振った。
「お二人ともこちらで何をしていらっしゃったのですか?」
……二人?
「ああ、娘と狼隠れをしていてね。今しがた見つかってしまったところだよ」
「これは大変お邪魔致しました。では」
「バイバーイ!」
白翼のメイドは一礼し、去っていった。
「…魔術か?」
「ええ、認識を逸らし存在を見えなくする『無明』をね」
「光を消す魔術ではないのか?」
俺もごくたまに使う魔術だ。
『無明』は光を遮断する魔術で、相手側からしたら黒い壁ができているように見える。
違和感なく認識を逸らす効果ではなかったはずだ。
「ああ、なるほど。それは効果を強めすぎだね。確かにこの魔術は光を消すけれど、私の場合、全て消してはいない。特定の光を消したのです」
「まさか、俺から反射された光を?」
「正解です。君から反射された光のみを消し、背後の光を視認させました。少し光も操作しましたがね」
ディーヴは軽く解説したが、とんでもなく高難度の技法だ。
他の光は一切消さずに、俺に反射された光のみを消すだと?あまつさえ魔術が発動した素振りすら見せなかった。どんな演算能力だよ。
「パパー、何の話ー?」
「勉強のお話をしていたんだよ」
「むーお勉強ー?」
「そう、魔術のお勉強していたんだよ」
「そっかー!ボクにも使えるかな?」
「使えるさ。君の未来は無限にあるんだから」
「ほんと?」
「うん」
キャッキャッと笑う幼子。
ディーヴはその様子を見ていた俺たちに視線を向けた。
「ああ、私の娘だよ。ほら、自己紹介しなさい」
「ボクはアリッサ!ライラック家の娘です!」
手を挙げながら紹介するアリッサ。
エンジェは俺の後ろから出て来てその胸に手を当てて紹介する。
「私はエンジェだよ。一応、レウィシア家の長女です」
「俺はアベルだ。よろしくな」
「……」
じっと俺の目を見つめていた。
「あの人、目赤いね!ボクと同じ!」
「そうだね」
アリッサも目が紅い。一応確認してみよう。
「ディーヴ、その子は…」
「ええ、貴方と同じですよ」
やはり”邪眼”。邪神の転生先に選ばれる確率の高い器だ。
今は邪神は四つに分割している。この子に禍は無いだろう。
凶堕ちの特性…破壊衝動には陥っていないからだ。
「ねえねえ!ふたりともここで何してたのー?」
「ん?」
俺はエンジェと顔をあわせる。
そういえば、何で逃げていたのだろう。
「ふむ、少しここは暗いですね。立ち話も何ですし私の部屋においで。紅茶も出しますよ」
「む…断る理由もないし…邪魔になろう」
警戒心は解かずに行こう。
俺とて、すべての人間に全幅の信頼を置いているわけでもない。どのような人であれ、少なからず警戒心は持ったが良いだろう。
◇◆
本や資料やらで散らかされている部屋だ。
紙に書いた魔術陣もあちこちに貼られている。
魔術の研究でもしているのだろうか。
「すみません、少々お待ちください。アリッサもアベルのところに」
「はーい」
パンッと手を合わせると、部屋自体にディーヴの魔力が浸透していき、みるみる散らかった紙や本は壁一面の棚へと吸い込まれていく。
「そこのソファーに座って良いよ。私は紅茶を用意して来ます」
「ボクもてつだう!」
アリッサはディーヴについて行った。
部屋内に紅茶はすでに用意してあるようで、トポポと器に注ぎ込んで行った。
俺たちを匿ってくれたのはありがたいが、何を企んでんだか…
「エンジェ、ディーヴとは知り合いか?」
「ディーヴは三つほど上で昔はよく一緒に魔術を勉強していたんだ」
「同期のようなものか?」
「うん、同じ時期に魔術を学び始めてね。昔から才能があっていつも私の何十歩も先に進んでいたんだ」
「へえ…」
能力以外の本は大の苦手なエンジェが魔術を扱えた理由がわかった気がする。
この人と競い合っていたのか。
「いえいえ、魔術はエンジェと会う前から触れていたものでその差が出たのだと思いますよ」
「こーちゃです!」
アリッサはカタンと台を置き、紅茶を並べて行った。
ディーヴもソファーに腰を下ろす。
「ええー!そんなのあんまり関係ないじゃん!一ヶ月で中級魔術を全て習得した時なんてみんな驚いてたじゃん!」
「エンジェ様は爆裂魔術に特化しているだけであって私は一通り使えるだけです。貴女も素晴らしい才能がありますよ」
「むむぅ…」
「まあ…今は全属の最上級魔術を習得しましたが」
「……嫌味だよね?今すっごい含んだ言い方をした!」
「ははは、真実を告げたまでです」
俺はアリッサに礼を言い、紅茶を飲む。鼻を突きつけるような香りが良く、心を落ち着かせる。
ふむ、エンジェは特化魔術師で、ディーヴは万能魔術師ということだろうか。
「なあ、魔術師って全ての属性魔術が使えれば名乗れると聞いたんだが、エンジェは違うのか?」
「その通りです。確かに魔術師は最低条件に、全属の初級魔術を習得すれば名乗れます。ただ、それは一般的な条件です」
「例外があるのか」
「例外…ではありません。魔術師になる条件は一つだけではないだけです。幾つかの条件のうちの一つ、中級魔術を一つ習得さえできていれば魔術師と名乗ることもできます。もちろん、試験も設けられていまして、試験官の承認または師匠の皆伝さえあれば魔術師は名乗れます」
「色々あるんだな。俺も一応だが、初級魔術一通り習得している。この場合は試験なしで名乗れるものなのか?」
「試験なしであれば、自称になります。正しく試験を合格していれば、ギルドカードの経歴に魔術師の称号が加えられます」
「…む、ギルドカードを作ってもらった際に職業にいくつか職名が書かれていたが、これは別なのか?」
「それは天職というもので、君の魔力質や筋肉、その思考から最適な職業を提示しているものです。君の場合はリディックの承認の下にすべての職業に適性があるとみなし、称号としても加えられていたのでしょう」
あの牛鬼との戦いで試験はクリアできていたってことだな。
自称でなくてよかった。
「パパーボクもこの魔術使いたい〜」
ディーヴの隣で膝を抱えて本を広げ持ちながら顔を上げながらそう言った。
この歳で魔術についての本を読むとは、いずれ大魔導士に至れるかもしれないな。
「それはまだ早いね。もう少し勉強すれば使えるようになるよ」
「うん!後で教えてくれる?」
「そうだね。日が沈む頃に教えてあげよう」
「やった!」
アリッサは本を上に持ち上げて笑い、本棚の下で黙々と本を読み始めた。
「何故に二人ともあのような場所で隠れていたのでしょうか?」
「えっとぉ…」
「大方、一度こちらにいらっしゃったにも関わらず、オスカー様にお会いできず、ご立腹なのでしょう?」
「うぅ…だって!一回ここに来た時も忙しそうだったし、2回目来た時は会えるかと思ったのにいきなり連れ去られて!この服を着せられたんだよ⁉︎ 理不尽だよ!」
「まあ…仕方ないですよ。オスカー様も先日にとんでもない来客がありましてね。国中が慌しいのですよ」
「いつもよりは騒がしいと思ったけど…何かあったの?」
ふむ、と顎に手をやり、一考するディーヴ。
国自体が騒がしくなるほどの来客なのか。
「そうですね…今は言えませんが、少しばかり喧嘩を売られてしまいまして。どう対処するべしか決めかねているのですよ。その件で今日も朝から何度か会議を繰り返しているのです」
「むう…」
やっぱり気に入らないと言った表情だ。
「昔から変わりませんね。しかし…ここから家出する際の表情とはまた違いますね。今度の表情は…恋する乙女の顔です」
「う…うるさいよ!」
「それだけじゃなく、決意と覚悟のある表情になっています。それでこそ、家出の手助けをした甲斐があったというものです」
それなら俺と会った時から異様にお金を持っていたり、モメントの町に行こうと思えたのも納得できる。
リディックと知り合いのようだしな。
「それで? 旅にて何か得られましたか?」
「ううん…そうじゃなくて…分かっていたんだ。あの時は…知りたいだけの子供だった。知ってどうするかも考えていなかった。………どこかで認めたくないと思っていたよ」
キュッと口を噤み、目を開ける。
「………本当のお父様とお母様はもう死んでいるのでしょう?」
言い放つ。そう形容するにふさわしい。
震えた声のままだったが、芯のある声だった。
「旅中もそうだったし、モメントの町で滞在していた時もそうだったけれど…コロナ帝国の話は一つもなかったんだ。帝国は跡形もなく消滅した、としか話がなかったんだよ。ディーヴ、小鴉丸から聞いたよ。……本当は、知っているんだよね」
「…本来ならば私から話すべきことではありませんが…今の貴女にならば話しても良いでしょう」
ディーヴはふぅ、と息を吐く。
エンジェと3歳ほどしか年が違わないのにこの落ち着きっぷり。
いや、今は彼の話を聞こう。
「…リディックからコロナ帝国の惨状の報告を聞きました。コロナ帝国どころか、ヘーリオス大陸そのものが消滅した…という報告です。貴女の母君と父君がコロナ帝国へ赴き、到着した翌年…10年ほど前に消滅したそうです。生存はーー絶望的でしょう」
「……そう」
やっぱり、とエンジェは顔に影が差した。
そして、俺はまた別の真実を突きつけられ、声を零してしまう。
「馬鹿な…」
大陸の端とは言え、俺もヘーリオス大陸に生まれた。コリオリの町だってヘーリオス大陸。俺の育った町のはずだ。
「……アベルさん、貴方の出身はどこかお伺いしてもよろしいですか?」
「…そうだな。俺はヘーリオス大陸の端の町、コリオリに育った。少なくとも4年ほど前までは大陸は存在していたはずだ」
「コリオリ…唯一消滅を免れた町。ヘーリオス大陸とアルマ大陸をつなぐ町として繁盛していましたが、消滅をきっかけに廃れた町です」
唯一ということはヘーリオス大陸のほとんどが消滅し、コリオリの土地のみ残ったということか。
なるほど、ユージンが大陸へと赴くのを止めた訳だ。もうすでに存在していなかったから…
「…そうか」
「あ、アベル…?」
少しオロオロしながらも心配してくれている。
可能性としては考えていたが…消滅していたとは。しかし、俺としては情報源が一つ減った、という程度でしかない。
多少の衝撃はあったものの、心情的にあまりショックは受けていない。
「いや、少し驚いただけだ。………それよりもお前の方こそ大丈夫なのか?」
「うん…覚悟はしていたけど………」
肩が震える。今にも泣き叫びたいのだろう。
関係の消失は心の穴にもなる。深い関係であればあるほど、その穴の大きさは大きい。
それが血の繋がった親であるならば尚更だ。
「…っ……」
歯を食いしばりドレスの裾を握った。
「おねーちゃん、大丈夫ー?」
「ん…アリッサちゃん…」
「パパが言っていたよーー悲しい気持ちをがまんするとしあわせが逃げるって!」
「…うん…そうだね。ありがとう」
んきゅ、とアリッサの頭を撫で、涙を潤ませた顔でこちらを向く。
「…ごめん、アベル」
「………ああ」
エンジェは俺の肩に頭を預けて俯く。
そして、しがみつく手の力が強くなる。
呑んでいた声を震わせた。
俺にはその涙にどれほどのものか分からないが、二年間という旅はここで終わったのだ。
「そっかぁ…会えないんだ…もういなくなっちゃんだ…」
幼い頃の記憶にすがり、取り戻したかったのだろう。
真実から目を逸らし続けて…
◇◆
ディーヴはカップに紅茶を再度注ぎ込む。
その隣に裾を摘みながら立つアリッサ。
「エンジェ様、落ち着きましたか?」
アリッサは手に持つ布をエンジェに差し出した。
「おねーちゃん」
「ありがとう…」
涙をぬぐい、一息をつく。
「ごめん、もう大丈夫だよ」
心残りはあるものの、すっきりとした表情だ。
思いかけず、エンジェの2年という長い旅がここで終わったのだから。
「……無駄だったような無駄ではなかったような2年だったよ」
少しばかり天井を仰向き、感慨に耽っていた。
あまり直接的な関係ではないが故に、俺もまたあっさりとした終着だな、と思っていた。
同時に、俺の旅もこんな風にあっさりと終わってしまうのだろうか…とも。
「アベル、私は家出した理由は今なくなった。けど、新しい目的はできたよ」
「…それは?」
「ふふっ、分かっているくせにー!」
口に手を当て、意地悪そうな顔を浮かべて笑う。
これぞお転婆な一面、だな。
「……はぁ、ところでなんで俺を拐った?」
「アベルなら無理やり叔父様のところに連れて行ってくれるかなぁ…って…」
俺は指に輪っかを作り溜める。
「俺は武力装置じゃねえ」
ドパーン!と背後に弾け飛ぶ。エンジェはあぅう…と額を抑えてうずまくった。
「ご馳走になった」
俺はそう言いながら立ち上がる。
アリッサはディーヴよりも先んじるように声を上げた。
「どうも!」
「どういたしまして、それと一つお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、何だ?」
「貴方の父…いえ、どちらかの親の種族を教えていただけますか?」
「……なぜ?」
「単なる興味です。強さにおいては竜人が最も強いとされておりますが、リディックの話から君の強さ、そして、種族能力の数は常人のそれとかけ離れています」
俺は少し間を置き考える。こいつに母の種族を教えても良いのか迷う。
いや…情報の過剰防衛か。名ではなく、種族くらいならいいか。ディーヴもその辺を弁えてそのように聞いてくれたのだろう。
「母が黒妖精だ。父は生まれつきいなかった」
「ふむ、それで種族能力『超再生』が使えるのですね…合点がいきました。リディックからの情報と一致していますね」
「珍しいのか?」
「ええ、他の種族と比べ、発現率の低い能力ですからね。それは珍しいものですよ」
「そうだったのか」
「おっと…少し長く引き止めてしまいましたね。私でよければ貴方のお力にもなりましょう。手紙でリディックからも、よろしくとうるさく書かれていましてね」
「そうか…お世話焼きだなあいつも…」
「ええ、昔から変わっておりません。私も世話になったものです」
ふふ、とディーヴは笑った。
「では、あなたたちの未来に幸あらんことを」
「さちあらんことを!」
付いていくようにアリッサも声を上げた。
「ああ、ありがとう」
俺は踵を返した。エンジェも俺に付いていくように立ち上がる。
「エンジェ様、オスカー様も心配されております。私から掛け合っておきますので挨拶されてはいかがですか?」
「う…分かった。ごめん、お願いします」
俺たちは素直にそれぞれに部屋に戻る。
しかし…ヘーリオス大陸が消滅していたとは想像もしなかった。となると、ベヒモス王国とここ、シバ国でしか情報が得られそうにない。
あとそれから俺の村を襲った黒い竜…竜関連に関しても調べた方が良さそうだな。カムイから少しだけ竜人について教えてもらっていたが、本格的に聞いてみるとするか。
調べることがまた増えてしまった。面倒だが、これも復讐のためだ。手間にはなるまい。
「アート、戻った…ぞ…?」
そこにはアートが小鴉丸にプロレスの技、卍固めを行使していた。
あだだだだ!と声をあげる小鴉丸だ。
「何をしている…?」
「いや…なんか追わせちゃいけないと思って引き止めていた」
なるほど、途中から小鴉丸の声が聞こえなくなったのはそういうことか。
「…離してやろうぜ。小鴉丸も限界っぽいし」
小鴉丸はバンバンとアートを叩いている。
俺に言われ、ペッと小鴉丸を離す。
「くっ…!覚えてろ!」
「雑魚セリフはもう良いだろ。何回アートに負けてんだよ」
「43回だ!」
覚えてたんかい。
モメント以来、負けたままなのが癪だったのか、半年の旅中に何度かアートに挑んでいたが、負けてばかりだ。
今のところ、アートの無敗のままだ。
「エンジェはもう部屋に戻っているぞ」
「ええ?いつのまに」
「ちょっとな」
「むむ…戻る!」
部屋から飛び出していった。
その足を止め、アートに向かって、
「ベー!」
と子供のような反応を見せ、去って行った。
「なあ、アート、あいつのことが嫌いなのか?」
「む…そうだな…嫌いではないが、同じ主君を持つ者として負けたくないだけだ」
「…ふっ、そうか」
アートにも別のライバル的存在ができてよかった。
俺以外の人に興味を持つのは悪くないことだ。
「少し瞑想する」
明日は情報収集がてらにギルドでも見に行くとするか。
シバ国に着いたと報告もしなければならないしな。
「あ、そうか」
コリオリで俺以外の生存者はレイアが保護したってことはエリーの行方も知っているのかもしれない。
「ギルドに行く前にレイアを探すとするか」
今日はゆっくり街歩きでもしよう。
鍜治屋へ行き、武器の修理もした方が良いな。神胤は少し特殊なため、研磨の必要はないが、身につけている鎧や小武器を研磨してもらおう。それから戻ってくるついでに飯も食いたいな。
エンジェに良い店でも教えてもらおうか。
いや…そもそも良い店を知っているだろうか。一応お嬢様だし、そういうの疎そうだ。
「まあ、行くぞ」
「おう」
俺は瞑想を終え、アート共にふらりと街へと出かけた。
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読んでくださりありがとうございます!