23話 再認識
翼竜の迎撃作戦も終わりが近づいている。元々、アベルの突貫によって群勢の二、三割を削ることができていたのもあり、当初の予想時間よりも早く迎撃作戦が終わろうとしていた。
アベルだけではなく、招集に応じたS級A級冒険者の采配、サポートも大きく貢献していたのだ。魔物に溢れるモメントの町に根を下ろすことを決めた冒険者たちで何年も町を守って来たその実力は伊達ではない。彼らの尽力によって作戦も順調に早く終わろうとしていたのも一因だろう。
「負傷者は下がりなさい!気を抜いたら死ぬよ!」
また、代表者であるリディックが駆け出た後、代理としてゼインが総指揮をした。いつもの気の抜けた声ではなく、はっきりと張った伝わる声を出している。彼はモメントに常駐していないものの、冒険者を死なさぬ指揮で死者は未だにゼロだ。
(キリが無いわねぇ…でも、確実に翼竜の勢力が弱まってきている。後一押しねぇ)
推定五十匹以上の翼竜だったが、明らかに百匹は超えている。アベルは五十の群勢のうちの六割を削ぎ落としたが、五十の倍以上に増えたのだ。
それほどの存在が急に現れた。
その存在が現れた途端、翼竜の頭数、必死さが変化したのだ。
(何がそこに現れたんだろうねぇ…アベルは大丈夫かしらぁ…?)
黒い柱が空を貫いた方向を一瞥する。
だが、リディックが向かった。安全の有無は今指揮をしているゼインには確かめられない。
ゼインは彼らの帰りを祈りつつ、前線へとまた視線を戻す。そこには次々と翼竜を薙ぎ倒す冒険者が一人、そいつは精霊に屈服した男だった。
(…それにしても意外だったわぁ。図体の大きいだけの男だと思ったけれども、ここまで化けるとはねぇ)
その男はリカルド・ギガンチウム。
翼竜の迎撃前線に、リカルドも参戦していた。
彼は、エマを救うべく重い足腰を上げ、駆け出たがその数分後に小鴉丸により、ギルドへエマが救出されたことが伝達された。その瞬間、前線へ参戦を申告してきた。
リディックはその申告を承諾した。リカルドの戦闘スタイルから前線タイプでもあったため、彼を前線へと采配した。しかし、それは数多くの冒険者のうちの一人、としてだった。
今回の作戦における幹部に相当する冒険者としてではなく、要員の一人として采配したのだ。
要するに---期待していなかった。
だが、それを見事に裏切った。絶大な攻撃の要として翼竜を次々と落としていった。
「『首断』!」
大剣を一直線に振り下ろし、翼竜の首を切り落とす。
(本当…あいつの言う通りだよ…)
勇敢と愚者は紙一重だ。
力なき者が巨大な存在に意味なく立ち向かうは無意味。
無駄死する。
(俺は事の伝達後、動かなかった。怖くて、恐ろしくて、動けなかった)
だが、アベルは躊躇わなかった。
自らに力があることを理解している。そして、その力を振るうことに躊躇いなどなかった。
(そうだ…俺にも力はあるんだ…)
アベルはリカルドの力を見抜いていたのだ。
精霊に叶わずとも、救出できるほどの力があることに。
それが今回の前線でも証明できていた。
(くそっ…!なぜ、動かなかった…なぜ怯えた、なぜ止まった)
大剣を横に凪ぐ。
その一振りで翼竜は絶命した。
(まだ覚悟が足りなかった。もう俺は揺れない。俺は、英雄になりたい)
エマが惚れた自分をもう裏切りたくない。
もう失望などさせない。
見下させはしない。
(俺は英雄への道を突き走る--”闘牛”だ!)
一歩前に足を踏み飛び、翼竜の背中を叩き刺す。
浴びた血を拭いもせず次の翼竜へと突き走る。
「オォオオラァアアアアア」
救いに行かなかった自分、決意の遅い自分、不甲斐ない自分を戒めるように前線で狂戦士のごとく暴れ、翼竜を薙ぎ倒していった。
そして、それも最後の一匹となり、
「--『禍牛』!!」
大剣を振り上げ、体ごと翼竜の首へと叩き込んだ。
一回り体の大きい翼竜は絶命する。
「はぁっはぁ…はぁ…」
翼竜迎撃作戦の最後の締めとして、その大剣を掲げる。
その大剣を見た他の冒険者は、勝利に雄叫ぶ。
「「「うおぉおおおおおおおおおおおお!」」」
これにて、翼竜迎撃作戦は終了した。
重傷者は五十人を超えたものの、死者はゼロだった。
モメントの冒険者を総じての作戦で最も被害が少なかった。
もちろん、報酬は討伐した翼竜の素材だ。多少の功績による差分はあるものの、ギルドの管理下に仕分け、報酬として手渡した。ギルドの管理、受付をメインとして担当しているリリアの負担は計り知れない。
今回、招集に応じた冒険者たちには最大の功績として他の冒険者と比べ、5倍の報酬が手渡された。
アベルを除いて。
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幹部クラスに相当、または要として活躍した冒険者にはリディックが直接報酬を手渡すことになっていた。
一人一人、リディックと会い、功績を言い渡し、報酬を渡していた。
その最後にアベル。今回の作戦の重要な役割を果たしたアベルには平均報酬の10倍の報酬が用意されていた。
リディックはアベルに功績を言い渡し、報酬を机上に置く。
「これが報酬だ。翼竜の鱗や爪などがメインだが、使い勝手はいいぞ。換算するなり、装備にするなり好きにすると良い」
つらつらと話すリディックだったが、少し喋りにこわばりがあった。
その元凶は言わずもがな、その肥大化した頬にあった。
頬はぶっくりと腫れ上がっており、とても喋りにくそうな上、痛そうにしていた。
アベルが鎧姿であるリディックを魔物と思ったのか、一閃、鎧の頬を殴ってしまった。
鎧姿なのにも関わらず、きりもみしながら吹き飛んだのである。
『剛力』が遺憾なく発揮された結果と言えるだろう。
「…すまん、大丈夫か?」
「おう…大丈夫だ…それよりも報酬を受け取ってくれ。今回はお前が…」
「いらん」
きっぱりと報酬を拒絶した。
その受け答えに呆然とするリディック。
「この町にも被害はあったのだろう? そっちに報酬を回しておいてくれ。多少の手助けにはなるはずだ」
「し、しかしだな。お前は今回の作戦において重要な要だったのだ。お前がいなかったら今頃モメントの町は…」
「いいや、それは過大評価しすぎだな。今回俺がいなくともモメントの町でも対処できたさ」
アドラヌスという絶大な精霊が現れたものの、”魔神”が止めた可能性が高い。
身内揉めというやつだ。
その副次効果で翼竜がたまたまモメントの町に向かっただけだ。
そして、モメントの町には翼竜の群勢を退けるほどの力はあった。
「…そうだとしても、やはり今回の作戦の大きな助力になったのは確かだ。そして、その確固たる形として報酬を手渡しさせてくれ」
と、リディックは机の上の報酬を前へと押し出した。
「そう…だな…」
渋々とアベルは報酬を受け取る。
その瞳には落胆にも似た影が燻っていた。
「それで、炎の精霊だとリカルドは言っていたが…精霊の凶堕ちだったのか?」
「微妙なところだった。精霊は確かに凶堕ちしていたが、その悪の魔力に抗っていた」
「凶堕ちに抗う…やはり知能が存在したか…」
「ああ、それも”魔星将”と名乗っていた」
「何⁉︎ それは本当か⁉︎」
リディックは机を叩き立った。
若干、アベルは驚きつつも落ち着かせる。
「落ち着け」
「あ、いや…すまん、続けてくれ」
「…俺のこの剣…神胤であいつの中に蠢いていた悪の魔力を払った。その後、よく分からないが戦うことになったが、俺如きでは相手にならなかった」
「そうか…”魔星将”は魔神に仕える原初の精霊たちを指す。炎の精霊だということは、”原初の火”だな。”魔星将”の中で最も過激な精霊だと伝えられている。よく生きていられたな」
「ああ」
「だが、あの黒い柱は何だ?アドラヌスの魔力とは全く別の存在を感じたぞ」
「…」
アベルは一つ間を置き、影の作った顔を上げる。
「”魔神”ブラッドリー。アドラヌスとすれ違うように現れた」
思考停止するリディック。
喉から何か出そうだが、よくわからない何かに抑圧され飛び出ない。
「----え?」
「奴に挑んだが、手も足も出なかった」
「……待て、魔神と言ったのか?」
重く、低い声でリディックは問いた。
魔神は世界を揺るがすほどの強者でありながら、歴史でも数える程しか君臨していない。
深いその闇は”凶神”と同質のもの。故に不気味で異質な存在である。
過去の文献から間違いなく、”死神”と”邪神”を超える神と謳われている。
故に、故にリディックは信じられなかった。
「ああ」
だが、アベルはしっかりとリディックを見据え、答えた。
「そうか…魔神は伝承でしか知られていない存在だ。原初の精霊は世界各地に現れたという報告があるが、魔神は別だ。その存在が現れたという報告は皆無、伝承でも数回しか登場されていない。そのいずれの数回で、大きな災いを起こしたと伝えられているのだ。この世界の大陸を”魔神”が割ったという伝承もあるほどだ」
「…なるほど。空間を支配するような魔力を感じたが…真に空間を支配していたのだな」
一息、ため息をするリディック。
「本当、よく生きていられたな」
「…全くだ」
しみじみと己が存在の有無を確かめる。
復讐は生きて達成する。母と師匠の約束の下、復讐を果たす。
それがアベルの今の生き方だ。未だに復讐の相手すら見つからないでいるが、今回の件で一つ歩を進められたことを感じていた。
アベルの復讐の相手には間違いなく、”凶神”が絡んでいる。そして、復讐を果たすにはまだ力不足であることも痛感していた。
「報酬は確かに受け取った」
「魔神の件はくれぐれも内密に頼む」
「分かっている」
魔神がここに現れたとことが知られると混乱を招くだけだ。
意味のない混乱、噂と嘘でモメントの町は消滅しかねない。
「今回の件は大いに助かった。モメントギルドに常駐する気はないか?」
「断る」
「だよな。お前の道に幸福があらんことを」
「ああ、ありがとう」
と、アベルはギルドから出る。
もう夜だ。星空が輝き、街も静まり返っている。
昼間の騒がしさが嘘のように風の音だけが聞こえる。
そこでアベルはぼそりと呟く。
「幸福なんてあるのかな」
復讐の道に幸福などあるのだろうか。
果たされた先に何があるのだろうか。
得られるものはあるのだろうか。
思考を巡らすが、答えは出ない。
それもそうだろう。
人生を懸けてでも見つからない者もいるのだ。
そして、自分の道に答えが見つかるとも限らない。
「…まぁ、帰るか」
宿に帰るとする。
アートとエンジェが待っている。
………
……
…
「アベル!おかえり!」
「おう」
「あ、そうだ。小鴉丸、見かけてない?」
「見かけてないな。どうした?」
「うーん、宿に帰ってきた後どっかに行っちゃって帰ってきてないんだ」
「じきに戻ってくるだろ。なんたってお前の従者だろ」
「…それはそうだけど…」
「そんなに心配なら後で探してみたらどうだ?案外近くにいるかもしれないぞ」
「うん、そうする!」
エンジェの部屋には、今だにエマは眠っている。
魔力が枯渇し、アドラヌスを抑え込むのに精神体力を全て使い、疲弊したせいだろう。
アートは…端っこで寝ている。ドアも大きく、アートでもギリギリ入れるサイズだった。
普通の宿ではない。貴族専用の部屋だ。
魔物使いでも困らないようにドアも部屋も大きくしたのだろう。配慮、福祉だ。
だが、首輪は気に入らないアベルだった。
「…ん?風呂に入ったのか?」
「うん!アートと一緒にね」
「そっか、ありがとうな」
道理で臭わない。
アートも獣だ。獣臭というやつはどうしてもある。
アベルは気にしないが、相手はお嬢様だ。気にするのも仕方ないだろう。
それよりも、
(なんてうらやまsh…)
はっ!とアベルは自我に帰る。
あっちのアートも目を開け、じとっと見つめている。
「アベル?」
「あ、あぁ何でもない。それよりもエマ、彼女は大丈夫だったか?」
「うん。魔力も少しずつ回復してきているよ。多分、一晩中には戻ると思う」
この世界で魔力は命同等だ。魔力が尽きれば死ぬ。
「そうか…お前は大丈夫だったか?」
「私は大丈夫だよ。アベルが…また助けてくれたから」
またにしても救われた。またにしても頼ってしまった。
アベルに何度も手を煩わしてしまったことにバツが悪く感じていたエンジェだった。
だが、アベルは煩わしくとも思ってはいなかった。
エンジェの頭を優しく触れ、アベルは微笑む。
「そっか…よかった」
今のアベルに救うことなど、面倒には思っていない。
体裁上、面倒だと思っていようと救う、そこに躊躇いはない。
かつては救おうとは思わなかった。
どうせ救っても得られるものなどない、と考えていた。
「お前が無事ならいいんだ」
かつては力不足で繋がりを全て失った。圧倒的暴力に屈した。
だが、今の自分には救えるだけの力はあるのだ。
「少し一人になる。報酬はここに置いておく」
「…うん、分かった」
--
ホテル如き宿、”星々の宿”から出る。
宿から少し離れたところでアベルは足を止める。
「ついてくんな。ストーカー」
「ぬぐっ、なぜ分かった…!」
「馬ァ鹿。俺に気配を感づかせずにつけるなんて百年早い」
デルラの森で不意を突かれず生き延びられた技術だ。『気圏』の魔力消費を最大限に抑え、気配の存在を常に把握している。ユージンほどの精度はないものの、気配だけならすぐに感知することはできる。
「……その」
もじもじとする小鴉丸。
彼女もまた、バツが悪そうにしている。
翼竜の群勢の前に転移してしまったことだろう。
「あ〜気にするなよ。あれはデコピン一発で話は終わりだ。むしろ、距離を縮めてくれただけでも助かった」
「ち、違う…!そういうことではない!」
「む?」
どういうことだ?と頭を傾げる。
「では、何だ?」
「ギルドでのことだ!」
はて?と再び頭にハテナを乗せる。
少し一考する。そこで思い当たることは一つだ。
「…あぁ、ケツで踏み潰したアレか」
「ぬぐっ!そ、それではない!それは忘れろ!!記憶から消せ!」
「無理言うなよ。いいケツだったぞ」
「は、ハレンチ!」
赤面しながら殴りかかるが、軽く受け止めた。
「ああ、分かっているよ。エンジェを俺が奪ったと思ったのだろう?」
「…」
「エンジェとはたまたま出会った。それ以上でもそれ以下でもない」
腕を手放し、小鴉丸はその腕をゆっくり下ろす。
「…だが、エンジェ様は酷くお前を気に入っている。この町に用がなければエンジェと繋がりは断つのか?」
「いや、切らない。理由は二つある。一つは、あいつがレウィシア家であることだ」
「!」
「俺の道にどの道関わる。ようやく掴んだ俺の念願の手かがりだ」
「念願?」
「それは言えないが、あいつの地位…いやレウィシア家と繋がりは断ちたくない」
「待て、レウィシア家とは…敵対する意味で言っているのか?」
「敵対はしない。場合にもよるが、手掛かりの意味でだ」
「…そうか、それでもう一つは?」
ふっ、とアベルは笑った。
「俺はあいつのことを気に入った。それだけだ」
幼馴染みのあいつの同じ何かを感じた。
見捨てられない。救いたい。
心根はひん曲がっていようと、正しくありたいと思った彼女と似た何かを感じたからだ。
「…そうか、ならば安心した。お前ほどの強者であれば、レウィシア家をもねじ伏せてでも納得させられるだろう」
「いや?別にそういうのではない。ねじ伏せる気もない。…そうだな、彼女にも事情があると言っていたな。それが何にせよ、手を貸してやっても良い、という程には気に入った。それだけだ」
「…そっか…それならば、なおさら安心した。エンジェのことは頼んだぞ--」
震えた声で踵を返し、去ろうとする小鴉丸の腕を掴む。
「何を勝手に放棄してんだ?」
「…!」
小鴉丸の瞳から大粒が溢れ出る。
もう自分は必要とされていないのだ、と感じていたのだろう。
己が捧げるべき存在に不要とされたと思ったのだろう。
「俺は俺の念願があると言っただろう? そして、それはエンジェの事情に必ずしも寄り沿えるとは限らない。その時、エンジェは一人になる。あいつに味方がいなくなる。その時はどうする気だ?」
「…っ」
「あいつは20歳だが、拙い。まだ辿々しい。誰かの支えが必要だ。俺は手を引っ張ることができても支えることはできない」
「だったらどうしろって言うんだ…!」
「答えは決まっている。お前が支えろ」
「!」
「勘違いするなよ。支える、と言うことは力がある者が支えるのではない。そいつのことを強く想っている者が味方になってこそ支えになるのだ。俺にも支えがある」
それはアートのことだ。
幼少期からずっと一緒にいる唯一無二の相棒。
生涯の友、とも言える存在だ。
アートがいて答え無き道を歩めたとも言える。
「エンジェのことを俺に頼むのは門違いだ。それは自分に頼まれろ」
「………っ」
掴む手を離し、最後の言葉を掛ける。
「エンジェがお前のことを気にかけていた。戻ってやるといい」
「…そうか…エンジェ様…いてもいいんですね…」
そこで、安堵を得たのか、涙を拭う。
俯いたまま、一息、息を吐く。そして、そのまま顔を上げ、キッと目を釣らせ、アベルを指差した。
「借りができたな!この借りは必ず返す!」
「借りにしなくてもいい」
「駄目だ!返す!覚えとけよ!」
と、小鴉丸は踵を返しつつ、翼を羽ばたかせ去って行った。
「覚えとけ!なんてセリフ、久々に聞いたな」
幼少期に失った二人の友を思い出す。
アベルもまた、踵を返し、夜道を闊歩する。
失った友、繋がりを引き裂かれた友を起点に自分を見つめ直していた。
(何を自惚れていた。俺は、まだ弱い)
改めて精霊戦と魔神戦と振り返る。
ユージンの元で学んだことが何一つ通じなかった。魔神戦で一瞬だけ肉弾戦に持ち込めたが、まるで歯が立たなかった。
それどころか、遊ばれていたようにも感じた。
(気操流に頼りすぎたか…)
過信しすぎていた。
気操流も能力も魔術も必勝法ではない。
戦い方の一つでしかない。
(俺は、復讐のためにこの力を手に入れたのだ。
何を過信していたのだ。
自分の強さに酔いしれるためではないだろう)
アベルは髪を搔きあげる。
(ああ、やっぱり俺、怠惰だな)
ふぅと息を吐き、夜空を見上げる。
「…弟子入りした時もこんな星空だったっけな」
再度、圧倒的な彼我差を思い出す。
再度、自分を見直す。
再度、認識する。
(もっと強くならなければ…)
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読んで下さりありがとうございます。