クリスマス
十二月二十五日、世間一般で言うところの聖夜だ。
今日、山森健一は白岩涼子を連れて、
川越市から新宿へ出掛けていた。
時刻は18時42分。
二人は、ある場所に向かって歩いていた。
そこは、予約が中々取れないレストランに
向かっていた。
「健一、まだ着かないの?」
「もう、見えてるだろ?」
「見えてるって、目の前の豪華な建物のこと?」
「あぁ」
二人は駅から歩く事、10分。
目的のレストランに到着した。
「さてと、入るぞ」
「う、うん」
涼子は少し緊張気味に健一の腕にしがみついて
レストラン内に足を踏み入れた。
中に入ると、いかにもこのレストランの
支配人の男が入り口で待っていた。
「お待ちしておりました。
山森健一様と白岩涼子様ですね?」
「はい、そうです」
「私、このペネラウタスの支配人を務めさせて
頂いている、秋河峻と申します。
少々、お時間の方に余裕がありますが、
席に着いてお待ちになりますか?」
「俺はどちらでも構わないが………涼子はどっちにする?」
「私は、歩き疲れたから座って休みたいな」
「では、座ってお待ちになられますね?」
「あぁ、それで構わない」
「では、個室の方に案内させていただきます」
支配人の秋河峻が個室に案内する途中で、
健一にふとある事を話した。
「そう言えば、先日、お父上がお見えになられましたよ」
「親父が?」
「ええ」
「誰かと一緒だったのか?」
「確か、奥様と御一緒でしたよ」
「ふーん」
「それから…………いえ、なんでありません。
どうぞ、こちらの個室になります。
ごゆっくりどうぞ」
「どうも」
健一は秋河に軽く会釈すると、涼子に先に入るように促した。
それを見て、涼子は先に入り、その後で健一が入った。
「では、19:00になりましたら、クリスマスディナーを
お持ちいたします」
そう言って、秋河峻は踵を返した。
「まぁ、今日は、ゆっくりと話しながら食べような」
「うん」
19:00になり、クリスマスディナーが運ばれてきた。
どれも、最高級の品を使っており、その値段が、
30,000円もするとのこと。
それから、1時間ほどして食べ終わると、
「さてと、この後はどうする?」
「うーん………明日の朝まで、健一の家で過ごしたいな?」
「良いよ、それじゃあ、会計を済ませて帰るか」
「うん」
その後、会計を済ませて、新宿から川越市へと帰った
二人は健一の家でゆっくりと二人きりの時間を過ごした。