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クリスマスイブ…

今日、十二月二十四日、世間一般で言うところの

クリマスイブである。

無論それは、山戸川高校の生徒たちも例外ではない。

山戸川高校公認カップルの山森健一と白岩涼子の

クリマスイブは、やはり平穏と言うわけにはいかなかった。

これも、例年通りの事であり、半ば諦めている。


『山森健一ィィィィィィィ!

今年は、今年こそはァァァァァ!』

「勘弁してくれ、こんなの多勢に無勢だろ!

涼子、一旦逃げるぞ!」

「え、ちょ、えぇぇぇぇ!」


健一に手を引かれながら涼子は後ろから追ってくる

男子生徒たちを見ながら呆れている。

逃げ回る事、1時間。

やっとのことで、男子生徒たちを振り切り、屋上に

寝転んでいた。


「はぁはぁ……はぁはぁ…はぁはぁ……はぁはぁ……」

「はぁはぁ…………はぁはぁ…………はぁはぁ……………」

「流石に………あれは………振り切れたからまだいいが……

次に追われたらただじゃ済まさないぞ……」

「あ、あはははは………で、でも、振り切れて良かったでしょ」

「そうだな……………。

ところで、涼子、今日の夜から明後日の夜明けまで空いてるか?」

「空いてるけど、どうして?」

「たまには、デートでもしないか?」

「そう言えば、最近は、あまりデートしてなかったもんね」

「どう?」

「良いよ」

「良し、じゃあ、ここから逃げ切りますか?」

「うん、でも、さっき逃げ回ったときに、

足軽く捻ったみたい。

だから、その、抱えて逃げ切れる?」

「はぁ…………分かった。

じゃあ、そこでじっとしてろよ?」

「うん」


健一は涼子を前で抱き抱える。俗に言うお姫様抱っこの形だ。


「さてと、しっかり捕まってろよ?」

「う、うん」


そして、山森健一が屋上から校舎内への扉を開けると、

男子生徒の集団もとい軍隊が待ち構えていた。


「ここに居たか、山森ィィィィ!」

「………………いくらなんでもこんな大勢で

待ち構える必要ねぇだろ!

止められるもんなら止めてみろ!」

『望むところだァァァァァ!』


山森健一と白岩涼子対全校男子生徒の軍隊の

抗争が始まった。


『いいか、山森に上を取られんなよ!

全方位を確実にブロックしとけ!』

「ちゃんと、対策練ったな。

でも、そんなんじゃ甘すぎるな」


健一は涼子を抱き抱ええたまま男子生徒の

軍隊の遥か上を飛び越えた。


「んじゃ、新学期に会おう!」

『追え!追え!追え、お前ら!』


男子生徒が追うも時、既に遅し。

その先には、山森健一と白岩涼子の姿はなかった。

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