螺旋階段 一段目
オタクの階段の~ぼる~♪君はまだ趣味の範囲っさ♪
××××年8月10日 月曜日 朝7時ジャスト
どこにでもある住宅街から目覚ましの音が響く。
ジリリリリ…ガチャン
カーテンを閉めた薄暗い部屋の中目覚ましの音で起きる。
「ふぁ~あ…朝か」
さて、まぁ皆さんこんにちは。俺の名前は神堂 大護だ。
年齢は17歳。身長は高校生にしては高めの182センチ。
顔は少し怖いけど若干かっこいいって言われる。所詮フツメンだ。
趣味は筋トレと妄想かなぁ?まぁいわゆるオタクである。
好きなことは、二次元のものだ。これがないと生きていける自信がない。
そんな少しメルヘンチックな人物が俺だ。
さてそろそろ行くか。
まだ完全に目が覚めていない頭を無理やり起こしドアに手を掛け下のリビングに向かう。
そしてリビングに入ってすぐの場所に置いてある写真を見て言う。
「おはよう、かーさん、とーさん」
そしてリビングに備え付けてあるキッチンで朝飯を適当に作り学校の準備を行く。
家から学校までの道のりは10分程度その日も普通に登校した。
ガラガラ
中へ入り自分の席へ行くと誰かが先に座っていた。
「おはよう、とりあえず退いてくれ裕也。」
そう言うと座っていた人物が顔を上げて言った。
「おっ、おはよぉ大護。」
「いや、おはようじゃねーよそこ俺の席だし」
少しイライラして言うと、
「別にいーじゃんまだ僕が座ってんだから」
とりあえず説明するとこいつの名前は樋口裕也。俺の両親が生きていた頃からだからかれこれ幼稚園からの関係だ。まぁ簡単に言うと所詮幼なじみというやつだ。そしてこいつはとてもイケメンだ、そして性格は…
女子「あっ!あの!裕也先輩!これよろしかったら食べてください!」
近寄ってきた顔を真っ赤にした女子が裕也手作りのクッキーを渡してどこかへ走っていった。
「ありがとう。?僕チョコダメなんだよなぁ大護食うか?あげるよ」
人の気持ちなんか考えない自己中心的な性格の持ち主だ。
「…お前が貰ったんだろ?せっかく作ってもらったんだから責任持って食えよ」
「別に頼んだ覚えはないしなぁ、」
そういってみたが当然こいつは聞きもしない。何でこんなやつが持てるのか不思議でならない。
それからしばらくたち下校の時間になった。
「大護、一緒に帰ろう。」
そう言いながら裕也は近寄ってきた。
「いや、俺は1人で帰るお前といるとろくなことがねぇ(それに速く帰ってネットの世界へ逃避したい)」
そう。こいつといるとろくなことがない。
この間はこいつが5人の不良に絡まれていた女子高生を助けようとしてちょうど通りかかった俺を見てそのままその娘と俺を囮にして逃走。
取り残された俺は5人を相手にしてボロボロになりながら戦い勝利しこいつはその間にその娘と無事に家に返して助けに来ない。
「そんなことあったけ?それに怪我をなんてどうせ大したことないんでしょ?ならいいよね?」
そんなことを言っている裕也を置いて学校を出る。
しばらく家に向かって歩いていると前にポニーテールの女子高生と男が歩いているのが見えたがどうも様子がおかしい。
まぁ俺のフラグセンサーがそう囁いただけだが…
「?あの娘の友達か?それにしてはずいぶんと強引だなぁ」
しばらくすると男に連れられ人気の少ない場所へと引っ張られるようにして曲がり角を曲がっていった。
「…まさかな」
俺のフラグセンサーも捨てたものではないかもしれん。
気になったので後を着けると話し声が聞こえた。
「やめて!そんな引っ張んないで!」
「いいじゃん少しだけ俺に付き合ってくれればいいからさぁ」
(あぁそういうことねぇ)
そう思いながら男と女子高生に姿を表した。
「おい、やめてやれ。いやがってんじゃねぇか」
「!うるせぇ俺はいまこの子としゃべってんだよ!どっか行け!」
そう言ってまた別の場所に移動をしようと男は女子高生の手を引く。
「!やめて!離してよ!」
「おい、やめろっていってんだよ!」
そう言って男の手を捻りあげてその間に女子高生をこちらに引き戻す。
「いててて!くっくそ!離せ!」
と、そこへアイツが来た。
「!いたいた。大護!先に行くなんて酷いなぁ」
「!」ニヤ
俺が裕也に気を取られているうちに男は俺の手を逃れ突然裕也の方へ走って行った。
「っ!おい!逃げろ裕也!」
「はっ?あーこいつを捕まえればいいのか!任せろ!こんなやつ僕が!」
そう言って男を捕まえようと殴ろうとした。
男がどれだけの力量かも気づかずに……
「おぶぁ!ぐはっ…」
「おいお前!動くなよこいつどうなってもしらないぞ!」
どうしようこの状況……