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1000文字小説

私+あなた=時計 [千文字小説]

作者: 尖角

小説というよりは詩です。

>>期待外れだったらすみません。


それでは、よろしくお願いいたします。






深夜12時、重なる針。  短い針 と 長い針。


互いに寄り添うように、身体を寄せ合い重なり合う。




電話をかけても、君は出ないかもしれない。


孤独に過ごす時間。 “あなたがいない”不安に駆られる夜。




だけど、君の声を一瞬だけでも聞きたくて。 少しだけでも、聞くことができたらと。


だけど、自分から電話をかける勇気はなかなかなくて。 いつも心には後悔が残って。




寂しい。 そんな想いに押しつぶされそうになりながら、私は君を待っている。


泣きそう。 私は涙を必死に堪えながら、君専用の着信音が鳴るのを待っている。




例え、辛くたって、寂しくたって、何だって、


そんな想いは君からの電話によって吹き飛んでしまう。




例え、この時間、私の知らない子と過ごしていたとしても、


君の隠れてしまっているから私はあなたを信じることしかできないの。








時計は人知れず重なり合う。 毎時間、時が進むたびに重なり合う。


短い針 と 長い針。 その姿は純愛そのもの。 とても美しく、そして儚げで。








男は時々 女にバレない様に浮気をしている。 短い針 と 長い針。 時々、秒を刻む針。


私の心臓がトクトクと音を奏でるたび、私よりも早く進む針達は互いに愛し合っている。




悲しくなんてない。 辛くなんてない。


ただ、何も言い出すことのできない自分を惨めに思うだけ。




私は何をするにも遅すぎて、すれ違ったことにすら気付けない。


何時からすれ違っていたの、私達の関係は? 次はいつ、すれ違うの?




私には読めない、 私には見えない、 あなたの行動。 


例え、同じ空間にいたとしても、 私にはわからない。




歩幅の違う私とあなた。 波長が合うなんてことは一生なくて。


互いの人生は互いの人生でしかないの。 別々に刻むことしかできないの。




だけど、一人だけで生きていくことなんてできない。


私にはあなたが必要なの。 私にはあなたしかいないの。




だって、私とあなたは対で初めて意味をなすのだから。


対じゃなきゃ意味がない。 あなたじゃなきゃ意味がない。




あなただから、私は求めるの。 私はあなただから求めようとするの。


例え、繋がることはできなくても、重なり合うことだけはできるから。




心と心は、決して繋がることはない。 あなたからの着信が来ることはない。


私は寂しく待っているだけ。 永遠という時の流れを、ただひたすら待っているだけ。




でも、それでも私はいいの。 あなたと一緒にいられるだけで幸せだから。


例え、邪魔者が一緒の空間にいたとしても、 あなたと一緒ならば、私は満足だから。

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