6月29日 五日目
僕の一日は朝、昼、晩に変わったおにぎりを食べて終わる。土日は照子と遊ぶことになるのだろう。
明子さんとは昨日いろいろあったけど特に今までと変わらず無愛想にふるまっている。
ほんとは優しい人だけど、そういう態度でいないと心を支えられないらしい。
今日は珍しいことがあった。
明子さんが昼食にわさびが入っていないおにぎりを買ってきた。当人は少し落ち込んでいた。それほどまでにわさびが好きなのだろうか?と思った。因みにおにぎりは一般的なさけだった。
今日は平日で照子はいない。明子さんは相変わらず無愛想でいて会話はない。
何もない時間が過ぎていく。でも、照子がいないと時間が経つのが長く感じた。
昼からだいぶ時間が経ったがまだ四時。照子は夜九時に幼稚園から明子さんに迎えに来てもらい、帰ってくる。……まだまだ時間がある。退屈をしのぐため、明子さんに話しかけた。が、無視された。
わさびが好きなのかという会話にもって行きたかったが、その程度では会話をしてくれない。
明子さんと会話できる話、なぜ人を殺したのか、なぜ犯罪を犯したのか、それらを訊けば明子さんは話してくれる。でも、今はそういう話をできるほど仲はよくない。
(あぁ、何か疲れてきた。一日一日をちゃんと書こうとしたけど、やっぱり特に何もない日は書きにくい。まぁ、がんばるか。)
時間が経ち、夜九時過ぎになって、ようやく照子が帰ってきた。が、照子はまだ六才。夜九時には一般的には寝る時間で、照子は寝てしまった。
思わず笑い、僕も照子のそばで寝た。