生まれ始めた不安
重たく、古いドアに手をかけたあたしは少し緊張していた。
うーん・・・なんか変に緊張するなぁ・・・もうっ!どうにでもなれーっ!!
ガチャリ
不気味な音とともに開くドア。
「こんにちわ~・・・」
役所の中は意外とひんやりと冷たい空気がこもっていた、まるでここ何年も人が出入りしていなかったかのように・・・
少し置くに受け付けの窓口みたいなものがあって、クレアはそこへ飛んでいった。
『誰も居ないんですかね?』
「こんにちわっ!!」
「『はひゃあああぁぁ!!』」
しんみりとした空気を吹き飛ばすぐらいの調子に驚いたあたし達はしりもちをついてしまった。
「あれあれっ?驚かしちゃいましたか・・・ははっ。」
そんな風にお気楽に笑っている彼に向かってクレアが怒っていた。
『そんな、いきなり出て来られたら驚きますよっ!!』
「いやあ・・・もう今年の16歳の子達はもう終わったと思ったんだけど・・・まだだったのかと思ってさぁ。」
「遅くてすいませんでしたねっ。」
膨れっ面でしゃべるあたし。
「あぁ、ごめん。そんなつもりは無かったんだけどな・・・あははっ。」
クレアは大きなため息をついた。
『それで、パートナー申請をしたいのですが・・・』
「あぁ、それでは。この紙に手を置いてもらえるかな?妖精ちゃん?」
クレアは紙の上に手をかざす。
すると紙が七色に光りだした。
さまざまな色に輝く紙をあたし達はただ黙視していた。
その後、紙は白色になった。
「・・・うん。ありがとう、もういいよ。」
クレアはほっと息をつきあたしの肩にちょこんと乗っかった。
「これがパートナーの証ね。妖精ちゃんは後でパートナーにチャームあげといてね。」
『はいっ。』
クレアは嬉しそうに返事をした。
「それと・・・学校のことなんだけど、まだ行けないかも・・・」
「どうしてですかっ!」
「もしかしたら、君達は本当のパートナー同士じゃないかもしれないんだ。」
本当のパートナーじゃない!?いったいどうして?
あたしはクレアの顔を見る。
何か深刻そうな顔をしていた。
どうしてそんな顔するの?ねぇ・・・教えてよ。お願いだから・・・
やっと来たパートナーなんだから・・・不安にさせないでよ・・・