小さな希望の光
目の前に浮かぶ妖精・・・
あたしの頭の中には“驚き”という言葉しか浮かばないほど心の底から驚いていた。
『あの~・・・大丈夫ですか・・・?』
「えっ!!あぁっ?大丈夫・・・です。」
あたしは拍子抜けた声を出してしまったことに、だんだん恥ずかしくなり顔が赤面する。
妖精ってキレイな声してるなぁ・・・
リコルの声なんかは毎日聞いてるけど、あたしのパートナー?は特別キレイな声だと勝手に思った。
『わたし、まだあなたの名前聞いていないんですけど・・・なんておっしゃるんですか?』
「あたしの名前ね。あたしはミラ、クレアはあたしの本当に本当に本当の妖精なんだよねっ!」
『えぇ、あたしはミラの妖精ですよ。』
彼女はニコニコ笑う。
あたしにも、とうとう妖精が来たんだぁ・・・っ!
『えーと、ミラ?』
「はいはーいっ。なぁにっ?」
『喜んでいるところ悪いのですが、パートナー妖精の申請をしなければいけないので、役所に行きたいのですが・・・』
「あ!そっか、その前に一つ寄り道していいかな?」
『えぇ、どうぞ。』
「たーだいまっ。お母さーん!あたしに妖精来たんだよーっ!お母さーんっ!」
家の中に呼びかけてもお母さんが出てくる気配がない。
『留守でしょうか?』
その時奥から青色の光がキッチンから出てきた。
『あーっ!ミラさんっ、どこ行ってたんですかぁ!!』
「えー?散歩・・・?」
『散歩・・・?じゃないですよー!!朝食残していったでしょう!』
「朝食・・・?うん、残したよ。」
『お母さん怒ってますよ!あたしも怒ってますっ』
「どうしてよ?お腹空いてなかったから残したんだよ?」
あたしは首を傾げる。
『お母さん一生懸命忙しい朝に作ったのに食べてもらえなかったら悲しくもなるでしょう!!』
「・・・・ちょっと役所言ってくるって伝えて。」
それだけ言うと、出口に向かっていった。
クレアも渋々ついてくる。
『あーっ!待って下さい!!まだ話は残ってますよっ』
あたしはドアを閉めた。
『ミラ?話はきかなくってもいいの?』
「いいの。いつもああだから・・・」
あたしは空を見上げた。
そう、いつもあたしの話はまともに聞いてくれない・・・
あたしがしょんぼり下を向くと・・・
『そうですか・・・話を・・・』
「!?なんであたしの思ったことわかるのよ!!」
『そりゃあパートナーだから、思ってることくらいはわかりますよ。』
「へぇ・・・」
『あたしはミラの味方ですよ。帰ったら話をして見ましょう?』
「・・・うん。」
なんだかクレアが居ると勇気が出る気がした。
心の底からモコモコとあふれ出る、暖かい気持ち・・・
「ふふっ」
不意に嬉しくなって少し笑ってしまう。
近くに話すことの出来る存在が居るっていいなぁ・・・と思っていた。
早くクレアと学校に行きたいなぁ・・・、そしてお仕事をしたい。
クレアとなら何でも出来る気がした。