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~Ep1 星空と学会〜

仮面の魔術師はその夜、夜の風を浴びるため、

静かになった街の外れの狭き道を徘徊していた・・・・・

そんな彼の前に招かざる客が訪れるのであった・・・・・

「おい、少しまちな、貴様、星空魔術師だな?」

彼が見上げるは自分の体より遥かに大きな

巨漢。力だけでは到底敵わない相手である。

しかし魔術師はものすごい落ち着いた雰囲気で

返事をする

「・・・・はい。左様でございますが。」

そう答える。

巨漢は一瞬自身のプライドを傷つけられたか

しかめつらしい顔をしたがすぐに平常心を取り戻し、話を続ける。

「『あのお方達』の命令で、貴様の持つ魔術力を

いただきにきた。さあ。大人しくその力をよこすが

良いぞ。あわよくば貴様は地獄を見ることになる」

星空を操る魔術師は少しため息をついた。

「君たち魔術学会は、同じ種族を絶滅に追いやろうとしているのか。

もしそうであるならば魔術学会も君の言う『あのお方達』

は間違えている。君たちが進んでいるのは自らの破滅への道だ。」

巨漢の頭に血が上る。自らの主人を冒涜されたからだ。

巨漢は上半身の服を己の筋肉で千切ると、

「貴様ァァァァァァ!己の頭を高く見せてる帽子と仮面をとってみろ。

貴様の立場と『あのお方達』の力の差を徹底的にわからせてやる。」

そう彼にいい捨てると魔法陣を召喚し、全身を炎で身を纏い、

炎の魔人のような形となる。

巨漢の周りにあったゴミは燃え、鉄パイプ熱で曲がり

水たまりは完全に蒸発し切っていた。

人が浴びれば一撃で丸焦げになってしまう。

「くたばっちまえ!」

炎の巨漢は炎龍のようになり仮面の魔術師に襲いかかる。

しかし、巨漢は仮面の魔術師を燃やすどころか傷一つつけず、

それどころか完全に彼の体をすり抜けていた。

『pentaculum fortis 』

仮面の魔術師はそう唱えると彼の周りに魔法陣が現れる。

「星空を司る神よ。我の身を護りたまえよ。神なる力よ

我に力を貸与せよ」

燃え盛っていた炎は消え、魔法陣の周りに星座が現れる。

仮面の魔術師は巨漢に近づく。

「魔術師というのは個性だ。その個性を捨てて、魔術師を

することはできん。それを理解していない君は、魔術師失格だ。」

「、、、っ!!!」

巨漢は思い出した。この魔術師はただの星空魔術師でない。

そして彼は『あのお方達』が申していた危険な魔術師であると。

『星空の序、現の星空天誠!』

魔術師がいうとあたり一面、眩しいほどの光に覆われた。

「う、うわぁああああああ!」

巨漢の断末魔は光の中に消えていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

巨漢は完全に倒れた。いわば満身創痍の状態だ。

服はちぎれ、目は白目になりかけ、体も火傷のような跡がある。

仮面の男は巨漢に近づき。顔を覗く。

「いやぁ。これはひどいなぁ。回復魔法で治しましょうか。」

まるでサイコパスのような発言であったが巨漢はそんなツッコミを

している余裕は無論、なかった。

「・・・・・・・貴様・・・・・名を名乗れ。」

死にかけの声で巨漢はそう嘆く。

「名前、ですか。私の名前はスターマジック。

そう名乗らせていただいております。」

巨漢は納得したような顔をした。巨漢は数々の星空魔法の使い手と

戦ってきたが、こんなに強力な力はみたことがなかった。

仮面の魔術師改め、スターマジックは投げ捨てた鞄を拾い、

仮面と帽子の角度を直すと、

「私はここでお暇させていただきます。さようなら。」

「・・・・!!!!!!・・・・・・」

巨漢はスターマジックを追い止めようとしたが、言葉を発する気力は

一切残ってない。

『・・・・・・・』

巨漢に胸のざわめきがする。

『・・・・お前は一体何をしていていたんだ?』

巨漢の心にそう響く『あのお方達』の1人であった。

『・・・・も、申し訳・・・』

そう心で呟きかけたが、『あのお方達』の1人は

すでに巨漢の目の前まで迫っていた。

「・・・・・こんなボロボロだと話すら聞けないだろう。」

その者は巨漢の胸に手を当て、術を唱える。

すると巨漢は話せる程度に回復した。

「・・・も。申し訳ございません学会教師会ディアドコス様、

俺は、ヤツを逃してしまいました。」

巨漢は疲れ切った声でそう呟く。

ディアドコスの雰囲気は恐怖そのものだ。漆黒の修道服を

身に纏い、顔を黒い布で完全に覆い隠している。

「・・・・・・・問題はない。だが、ヤツを逃したお前には

消えてもらうことになる。」

彼の言葉はとても重く、恐怖どころか完全に怖気づくようだった。巨漢は恐怖で震え上がり、

「も、申し訳ございません!今度こそヤツを仕留めてみせ・・・」

「今度こそ・・・・・お前は私に何度今度こそという言葉を使ってきたか。

ヤツは愚か、ただの魔術師すらも仕留められないお前に何ができるのか?」

「ひっひぃーーっ!」

巨漢は恐怖のあまり逃げ出そうとした。しかし体が一切動かない。

「お前のような使えない弱者は必要ない。だが、光栄に思うがいい。お前も我々の

計画に必要とする魔術力の一部にしてやろう。」

巨漢は今までに感じたことのない恐怖に襲われながら、必死に命乞いをする

「ディアドコス様、どうか、どうかお赦しを!」

『黒狼の滅。現存の滅殺!』

ディアドコスが唱えると無数の黒狼の幻影が召喚され、巨漢に襲いかかる。

「ど、どうか・・・・・ギャァァァァァァ!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ディアドコスによる処刑が終わりを迎える頃、巨漢の身体は原型を止めていない。

灰と化して吹き抜ける風に飛ばされていた。

「・・・・・とはいえど、仮面の魔術師スターマジック。ヤツは我々にとって極めて危険な存在だ・・・」

ディアドコスは葉巻をポケットから取り出すと口に加え、指をライター代りにし、火をつける

「・・・・・我々学会教師会が・・・動く時だな・・・・・・」

葉巻の炎が風に揺らぐ。


あとがきです。ということで、初めましてよこかわです。

今回は私の初めてのオリジナル小説として、投稿させていただきました。

今回のテーマは『魔術』色々な作者様が執筆になられており、

人気のテーマであります。

そんな定番のテーマではありますが、他の作者様の小説と差別化し、

一味も二味も違う小説を描こうと考えておりますので、

ぜひ応援よろしくお願いします。

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