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神眼転生 ~光と闇の物語~  作者: 照師
もみの木の章
25/30

いざゆかん、次元の狭間へ

 アリエルはの中へと消えてしまったように見えた。壁をよく見てみる。

「ん?こんな所に!」

 アリエルが消えたあたりの壁に松の木の印が描かれている。印が淡く光りだした。

 ここだ!壁に飛び込めば、壁をすり抜けていく!

「あ!!」

 しかし勢いのまま中に入ったので、出た先で壁にぶつかりそうになった。慌てて左折するとそこは下り坂、

「おっとっと」

 止まろうとしたが何歩か前に出てやっと止まれた。

 …坂道は足にくる!

「ふぅー」

 中は洞窟になっていて、下り坂がずーっと下まで続いている…流石にここまでくれば。

 後ろからの爆発音!!鼓膜が破れるかの音に身がすくみ、耳をふさいでかがんでしまう!岩が横を飛んでいき、砂塵が舞ってきた!

「ゴホ、ゴホ!」

 ……砂塵が止んで振り返ると。

 そこには巨大な鏡だらけの握りしめられた手が、壁を貫いて埋まっているではないか!

「あっぶねぇー!」

 マジビビった―!

「ふぅー」

 死ぬかと思った。

「ハハハハハハ!」

 ロキの笑い声が洞窟内を木霊している。

「行こ!」

「ああ」

 さっさと逃げよう。振り返って逃げようとすると前の空間が歪み渦が出てきた!

「しまったわ!」

「……なんだこれは?」

「逃げても無駄だよ。ルクスくん。そこは次元の狭間。その先に行けば永遠の無の世界をさ迷い続けるだろう。さあルクスくん。おいで、少し話しをしよう」

「……聞くだけ聞いてみるか」

「そうね」

 ガゴの手に近づいていくと鏡の中に俺の姿が映っている。

「話ってなんだ?ロキ!?」

 鏡の中の俺の顔が歪んで……ロキの顔にかわってしまった!鏡の中のロキが話しかけてくる。

「ダンジョンのおりる場所はセーフエリアになっていてねー。私でも攻撃できないんだよ。しかし、移動用の魔法なら展開できる。さてとそこで提案だ。このまま家に帰って、この場所に二度と近づかないと誓うなら、君に一切の危害は加えない。なんなら契約を交わしてもしてもいい、しかし断るのならこのまま君は一生ここから出られない」

「ルクス、亜神にとって契約は重いものよ、ロキは契約を破らないわ、破ると地獄に落ちて、死よりも辛い苦痛の日々が待ってるからねー」

「そうか」

「そういうことだルクスくん。さあ、どうする?」

「断る」

「なぜ?」

「助けを呼んでたから」

「そうかい」

 鏡の顔が俺の顔に戻った。

 外から爆音がして、拳が動いて、砂塵が飛び掛ってきた。

 「ゴホゴホ」

 目を開けて砂塵が止んだか見てみると、鏡にはロキの顔が浮かんでいた。

「なにをしたんだ!?」

「あーもう時間だ。私は忙しい身でねー、そろそろ行かないといけない、だから腕を引き千切って、ここに置いとくことにしたよ、軽くなってこのコの負担が減るといいけど。これで最後だ。さあどうする?」

「断る!」

「そうかい、おかげで片腕分身軽になって、このコも喜んでるはずさ、では私は行くよ……あーそうだ、最後に一つ忠告しておく、鏡には気をつけることだ、私が見てるかもしれないからね」

 笑みを浮かべながら、ロキの顔が俺の顔にかわった。外からロケットがジェット噴射したような音がする……爆発音がした!……音がだんだん小さくなっていく。ロキは本当に行ってしまったのかもしれない。

「行ってしまったのか?」

「うーむ、ロキの禍々しい気は感じなくなったよー」

「そうか」

 後ろを振り返ると次元の狭間へと続く黒い渦が回って行手を阻んでいる。

「いくの?」

「ああ」

「亜神……神に近い奴が作り出した狭間だよ。もう出られないかもしれないー……」

「そうか、けどあの先で助けを求める声が聞こえたんだ。行ってみるよ」

「そっかー、もしも道に迷ったら、あーしーがついてるよ!」

「ああ、てかアリエルって今どんなことになってんの?」

「うーとねー、肉体がダメになったから、魂だけ魔法の力で包みこんで取り出して、まー今は精神の光の粒子って状態かな、いろいろ制限はかかるけど、世界樹が力を取り戻せば身体からだを復活させることができるはずだから、まーこれからはルクスのナビゲーターとして、お供するよ」

 光の粒子の塊が魔法のウエストポーチの中に入っていった。

「ここなら離れることもあるまいてー、あーいざゆかん、次元の狭間へー!」

「よーし、いくぜー!」

 次元の狭間に向かって走り、飛び込んだ!渦にのまれ意識が遠のいていく―――。






















 ―――ルクスが消え、残ったガゴの手の鏡には薄暗い洞窟が映っている。そこにロキの姿がゆっくりと浮かび上がった。

「ハハハハハハ、言ったじゃないですか、私は鏡の中から見てるってー。忠告してあげたのに。さてさて次の案件に取り掛かろうか、次は、ブツブツ、あー忙しー忙しー」

 ポンと煙をだして鏡の中から消えてしまった。それはまるで手品みたいな演出のようだった。

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