表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔道具屋エイリーン、婚約破棄される。~仕事に生きると決意するも、意外な縁が舞い込んで!?~  作者: 四季


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/11

10話「彼、その結末」

 あの後、親しい常連客から、アズに関する話を聞いた。


 アズはあの後ショートヘアの女性に惚れたそうだ。しかしその女性にアプローチし過ぎて嫌われてしまって。一方的に想いを伝えたところ拒否されたうえ罵倒されてしまったそう。で、それ以来、アズの中の愛が憎しみに変わり、その女性を追い掛け回すようになったそう。そんな中で、夜に遭遇した時、女性とアズは喧嘩になったらしく。その後アズは衝動的に女性を殺めてしまったそう。


 それによってアズは人殺しとして牢に入れられてしまったそうだ。


 さらに親からも縁を切ると宣言されてしまったらしい。


 縁を失い、幸福も手に入れられず、一人になってしまったアズ。

 彼はもう温かな環境を手に入れることはできない。

 愛も、温もりも、今ではもうどうやっても手に入れることはできないもの。


 これから先、彼はずっと一人で歩んでいくのだ――身も心も冷たい、優しさなど少しもない牢の中で。


 ちなみにレイ家は兄が継ぐこととなっているらしい。


 アズは誰にも必要とされていない。



 ◆



「ローレット! これ運んで!」

「うん!」

「あと、紙袋も出しておいて!」

「はい!」


 私は今も魔道具屋として忙しい日々を生きている。

 けれども以前とは状況は異なっていて。

 以前より心強い協力者がいるから前を向いて進めている。


 ちなみにその協力者というのはローレットのことである。


「すみませーん! 予約なんですけどー!」

「ではこちらの紙の記入をお願いします」

「これ買いたいんですけどッ! 対応お願いしまッす!」

「はい! すぐに行きます!」


 忙しい時にはローレットも客への対応に協力してくれている。


 色々してもらって申し訳ないとは思っているのだが、彼はいつも笑顔で手伝ってくれる。


 だからその優しさに甘えてしまっている部分もあるのだ。


「エイリーンさん、受け取りです」

「あ、はい」

「二台です。もう出来上がっていますか?」

「はい、できています」

「受取用紙です」

「はい、では出しますね。――こちらになります」

「おおっ!」


 忙しくも楽しい日々は続いていく。


 きっとこれからも、ずっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ