2話
まだ飽きないで読んでくれる方がいるか不安な作者です。
どうやらこの身体は感情が出やすいようで不快だとすぐに泣く、安心するとすぐに寝る、お腹が膨れるとすぐに眠たくなるの三拍子だ。状況を良く確認したいのだが、どうしようもなく常に眠いし、泣かないと人は来ないので現状分かっていることは、
・自分が何故か赤子だということ(これのせいで色々と支障がある)
・よくわからない言語を話す赤毛と黒いくせ毛の男がいるということ(ぼやけていて顔は良く確認できない)
・赤毛の男が世話をしてくれるので生きていけそうということ
以上の3つが分かっていることだ。そしてクーハン(藁で出来た育児用の籠)でどこかに運ばれている。どうやら赤毛が風呂に入れてくれるようだ。水の張ってある桶に身体を入れてそのまま頭まで水に突っ込まれ、
(ヤバいヤバいヤバい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)
このまま殺されると思った次の瞬間、身体を持ち上げられた。そしてどこかから出てきたハゲの男がブツブツ何かを唱え、俺は布でくるまれてハゲの男に手渡された。余りにも突然で何が起きているか理解も出来ず不安になり泣き出してしまった。
その後またクーハンに入れられて運ばれた。泣き疲れたのか安心したのかはわからないがすぐに寝付いてしまったが、まさか殺されそうになるとは思わなかった。
◇
あの殺人未遂事件から数ヶ月ほど経ってだいぶ目が見えるようになり、周りの状態も掴めてきた。
まずひとつ大事なことは男たちの話す言葉が少しずつわかりかけてきたということだ。これは常に話しかけてきたあの赤毛のおかげだろう「食事」「家」「うんこ」だけしかわからないがこの3つの言葉は理解できた。
そして次に大事なのは乳をくれる女性以外に女性が見当たらないということだ。そしてこの女性は普段俺や赤毛、黒いくせ毛とハゲの男が暮らしているこの家とは別の場所から来ている乳母だということ。
次に一番大事なのは謎だったあの殺人未遂事件は”洗礼”だったのではないかということだ。
何故かというと赤毛が一度、朝にいつも居る部屋から別の広くて明るい部屋に連れて行ってくれたことがあり、そこで像に対して祈る様なポーズでブツブツと何かを呟いていたのでこれは教会なのではないかということが分かったのであの事件は儀式の一環で行われたことだと考えた。
薄々感づいていたが、この世界は前の”俺”と同じ世界ではないことが明らかになってきた。
ベビーベッドには柔らかいクッションではなく、俺の排泄によって汚れた藁だけだ。幸い赤毛が定期的に藁を入れ替えてくれるのでなんとか病気にもならずに数ヶ月生きてこれた。
そして乳母や男たちの身なりがあまりにも貧相だということだ。余程のことがない限り前の世界では家があり、食事も摂れるのに着る服が同じなどという事は滅多にないはずだ。そして一番の決め手は電気もなく、照明がロウソクだけだということだ。
ともかく、俺は正真正銘異世界転生した。
(グッバイ…愛しの本たち…)
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