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過去を巡る者~レニシアンナ~

胸糞ざまぁの回でございます

賛否両論あるかと思います、ご了承ください

どうして…何故うまくいかないの?


足枷を付けられた足を見詰めた。何だか体が重い…。折角さ何か力をくれたってってのに、何で上手くいかないんだよ?


その為のファンタジーでしょ?何の為の魔法の世界だよ。


店で出会った男と揉めて階段から突き落とされて…気が付いたらどうよ~何?いきなり転移?ハハッ異世界?笑っちゃうよ。


「間違いで連れて来てしまったのだ…許せ、女。お前に○○の力を授けよう○○を上手く使えば身を守る術として使える…○○決して○○を多用してはならん…あくまでそれは……」


ああっもう!転んで起きた時に側に居たあのじーさんが言ってたこともっとちゃんと聞いとくんだったよ…くそっ。


頭いてぇ…怪我とか全然治らないんだよな治療魔法とか無いの?使えねー。前にあのメイドにお茶かけられた腕、痣になってんじゃん、ムカつく。


あの、リナファーシェのやろう、ムカつく。澄ました顔してノクタリウスを咥え込んでるんだろっ?それに地味女のレアンナだよっ。昔も邪魔しやがって…若い時まで私を馬鹿笑いしやがってっ!


「っく」


本気で頭いてぇ…。医者呼んでくれって言ってみようか。そうだな、基本的人権の尊重があるもんな。きっと外にいる若い子も私が微笑めば融通きかしてくれるっしょ?


だって私、若く見えるみたいだしね。勝手に子供扱いしてくれてさ!名前も勝手にこっちっぽいレニシアンナとかの呼び名に聞き間違えてくれたし、楽勝楽勝〜!


何て言っても小柄で童顔だから~ははっ。ノクタリウスも私が可愛く微笑めばまたコロリと騙されてくれるさ。


しかし何だろな…あのログリディアン、もうちょっと大人になった時に会った時も私の事ボロカスに言ってたし。今のログリディアンも怖いし何だよあれ…。


どうしてログリディアンの所ばっかりに飛ぶんだよ。ノクタリウスに近づけないじゃないか?!


もう一回16才くらいのノクタリウスのとこに戻ってみようか…でもすごく疲れるんだよね、コレ…。もしかしてめっちゃ体力とか使うのかな、この力。やりすぎはやべぇかな?


でもさ、この国の王子様にくっついてりゃ贅沢し放題だもんね。前はノクタリウスが死んじゃったから失敗したけれど…きっと今度は上手くいくよね…よし、力を使うよ。


せーの!


……よし!上手くいった!牢屋じゃないし。


あれ?ここはどこ?薄暗い森の中で足元が良く見えない…遠くの方で人の怒号や、走り回る音と何かを呼んでいる声が聞こえる。


その声の方に行ってみようかと足を動かして、ヌルリとした感触に滑りそうになって、よろめいた。


足元を見る。暗がりの中誰かが倒れている。誰?


その倒れている人の側に誰かが居る。キラリ…と刀身が光って見えた。剣を持っている男。


「はぁ…はぁ…や、やりましたよぉ……レニシアンナァァ!これであなたは私のものだぁ…」


何だ?その剣を持った男が顔を上げて私を見た。


この男どこかで見たな…誰だっけ…。


そう考えていた時、繁みの向こうから数人の男が走り込んで来た。兵士だ…。


「見つけたぞ!ここだっ…フーカもいる!」


「おとなし…へ、陛下?!」


「陛下?!どうされましたかっ?!ログリディアン様っ!こちらです!」


「陛下がっ!早くしろっ!」


何、何なの?これ…どこかで…フーカ?陛下?ノクタリウス…倒れているの?


「貴様っ!」


急に視界が暗転して、肩を打ち付けられた。


「ぎゃっ!」


上から押さえられて、そして手を後ろに捻り上げられて物凄い力で体ごと引っ張り上げられた。


「イタッ…嫌っ!何するんだよっ!」


暴れても手を掴まれて捩じ上げられるだけだ。ウロウロと目線を動かすと倒れている人の姿が目に入った。


あれ、ノクタリウスが倒れているの?ノクタリウスの周りに近衛と、ログリディアン…そしてレアンナの泣き叫ぶ顔が見える。本当にノクタリウスなの?


その姿をもっとよく見ようと顔を上げようとしたが、誰かに頭を押さえつけられた。


嘘だろう…痛い。何だよこれ?


これ前にノクタリウスが刺された時の場所じゃない?!どうしてさ?ちゃんと飛んだんだよ?もっと何も知らないノクタリウスに会う為にもっと過去へ…。どうして飛ばないの?!


縺れる足で何度も転びそうになりながら、兵士に小突かれ城まで連れて行かれた。地下牢に入れられて…倒れ込んだ時に自分の手の甲を見た。


…皺だらけだ。あれ、今…何才?あれから何年経ってるの?立とうとしても体に力が入らない。体の節々が痛い…。ねえ、誰か助けてよ?私どうしたのよ?


這いつくばって移動していると、地下牢の鉄格子の前に誰かが立っていた。何とか顔を上げるとおじいちゃんが立っていた。


「だから言ったろう?その力は使う度に飛べなくなるから、ここぞと言う時に使えと…もう飛べないよ」


そう言ってそのおじいちゃんは消えた…。


次で最終話になります

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