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第2話 小さくて広い世界

 みかん太郎は物心ついた時からイ茅五の里で暮らしていたため、自分の体がイチゴと違うこと気づいていても、「そういうもの」なのだと勝手に納得していました。しかし、まぶたに焼き付いたマンゴスチン姫の体は自分ととても似ていました。色こそ違えど果肉を守る厚い外皮、そして外皮に守られた複数の房、そして丸いシルエット…探せば探すほどに自分とマンゴスチン姫との共通点が見つかります。


 もしや自分はマンゴスチン姫と同じ果実なのではないか…?


 熱い恋慕に思考が雲っているようです。同じなわけがない。すぐにでもマンゴスチン姫を追いかけてこの思いを伝えたい衝動に駆られましたが今は夜、天敵である野生動物が活発になります。果実たちが動物を操る術を得ているとはいえ、活発になった野生動物の本能を縛り付けるのは容易な事ではありません。ましてみかん太郎はずっとイ茅五の里で畑を耕してきた百姓果実、農具以外には満足に蔓も扱えません。今の自分は思考が偏っていると自覚したみかん太郎は今日のところは休み、今後のことは明日考えることにしたようです。お休みなさい……………



 おはようございます…というよりこんにちはの時間ですね、みかん太郎は真昼までぐっすり眠っていたようです。昨日あんなことがあったのですから無理はありません…などと甘やかしてはいけません、おおかた税のために畑を耕さなくても良くなったからでしょう。今日はマンゴスチン姫に会いに行くための旅支度をするようで、長老の家を物色しています。イ茅五の里にはもうみかん太郎しか残っていないので、もらえるものはもらっておこうという魂胆でしょう。見つかったのはイチゴ硬貨と僅かな肥し玉、そして壁一面の古びた地図です。みかん太郎は満足に文字を読むことはできませんが、所々にある果実のマークでおおよその位置関係を読み取ることができました。

 地図の左端にイチゴのマーク、ココが首都のイ稚呉國いちごのくにです。そこからかなり離れたところに に印がついているのでココがイ茅五の里なのでしょう。すぐ右隣にマンゴスチン帝国があります、度重なる抗争で領土を広げたマンゴスチン帝国が中心に大きく描かれています。そしてマンゴスチン帝国の真南に自分と同じマークを見つけました。そのなもミ華ンおれんじしてぃーです。ココがみかん太郎にとって重要な場所であるということに違いありません。マンゴスチン姫に会う前に自分を知るため、ひとまずミ華ン都を目指す事にしました。イ稚呉國とミ華ン都の間には黄色く細長い果実のマークがあります。コレはバ罔罔ばなーねという国ですが、みかん太郎はバナナ族を見たことがないためコレがどういう国なのかよく分かりませんでした。ミ華ン都へ行くためにはバ罔罔を通らなければならないため、とりあえずバ罔罔を通るルートでミ華ン都へ行くようです。

 当面の目的が決まったみかん太郎は壁の地図を引っがしてイチゴ硬貨、肥し玉とともに鞄入れました。果実達の食事は、基本的には肥料となる肥し玉です。これは野生動物に襲われたときの自衛手段にもなります。材料は様々ですが、辺境の土地ほど野生動物の糞や死骸を利用するようです。

 概ね出発の準備を終えたみかん太郎は明日の出発に備えて眠り始めましたが、その夢の中である存在が語りかけてきました。

流石にみかん太郎がクズ過ぎたため改稿しました。それに伴いタイトルも変えにゃならんしストーリーもちょっと変更を加えるハメになった。サブタイトル結構気に入ってたんだけどなぁ…

地図https://twitter.com/rtry13qqosqx3b6/status/1239520549295947777?s=21

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