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魔王封印

「大丈夫か?瀬野」


「僕は大丈夫だけど……どうして……」


 俺は瀬野の元に駆け寄ると、その身に怪我がないか確認する。

 目立った傷はない、大丈夫そうだ。

 魔王と離れた事によって、これで瀬野の無事は保証された。

 取り敢えずは一安心だ。俺は安堵の溜息を吐く。


「きっと慣れない略式詠唱で失敗したのね!」


「でも……魔王は逃してしまった」


「ヤマト君!?どうしてくれるんだ!肝心の魔王に逃げられたら封印なんて出来ないじゃないか!」


「……期待外れだったな、所詮は無力な人の子か……」


「うるせぇなぁ……これから反撃すれば良い話だろ?」


 皆が好き勝手言っている所、俺は振り向き、勇者とラオンの冷たい視線に睨み返す。

 勘の悪い奴らだ。考えの浅さは魔王と同レベルだな。


「反撃って……ヤマト君は魔王の居場所が分かるのかい?」


「あぁ、分かる。そして俺達は今からそこに向かうんだ」


「なんだと?何故お前が魔王の逃げた先を知っている」


「それは後で説明する、魔王が態勢を整える前に追いかけるぞ」


 俺はティアの元へと歩み寄る。そして告げた。


「この人数、空間魔術で飛べるか?」


「距離次第だとは思うけど……多分大丈夫よ」


「分かった、これでティアの仕事は終わりだからな、最後に頑張ってくれ」


「それで……何処に飛べば良いの?」


「帝国領、都市ロイトンにある迷宮、通称『魔窟』。その最深部だ」


 ティアに向かってそう告げると同時に、俺は口角を上げニヤリと笑う。

 魔窟最深部。此処に居る全員が一度訪れた事のある場所だ。

 そして、魔王が復活し、殺され、新たに生まれた場所でもある。


「まさか……どうしてそんな場所に魔王が逃げたんだい?」


「勇者……お前察し悪すぎだろ……」


「ヤマト様の言う通り、状況の説明は後で良い、場所が分かってるなら早く向かおう」


「わたしに任せなさい!飛ぶからみんな集まって!」


「瀬野は留守番だな、下に降りてアカツキと合流してくれ、もし疑われたら……まぁ俺の名前を出せば多分どうにかなるだろ」


「分かったよ、ヤマトも気を付けてね」


 瀬野に軽く手を振って、俺はティアに近付き、その手を握った。

 そして、俺から時計回りにティア、ラオン、エル、勇者、と数珠繋ぎになるように手を繋いでいく。

 ティアは辺りを見渡し、全員が一つになったのを確認すると、詠唱を始める。


魔術回路構築(クリエイト)……詠唱……

 ル・トゥーム・アウナデム・ティロワール

 空間魔術……空間接続(ゲート)!」


 この光景も見慣れてきた。俺はゆっくりと目を閉じる。

 辺りは瞼を焼くような閃光に包まれ、周囲の空気が一変するのを感じる。

 さて、無事に魔窟まで飛べただろうか。


「此処にまた来る事になるとはね……」


「本当に魔王は居るのか?」


「ヤマト!あれを見て!」


 ティアの言葉で、俺は目を開く。

 そこには見知った魔窟の最深部の光景が広がっていた。

 そして、この大きな広間の中央部、少し高くなった位置に二つの人影が見える。

 やや距離がある故に、まだ魔王と断定出来たとは言えないが、大方魔王で間違いないだろう。

 そうと分かれば話は早い。俺達は言葉を交わすまでもなく、ほぼ同時に駆け出した。


「ラプラス……これはどういう事だ?」


「えーまだ分からないんですか?魔王様はもう少し聡明だと思ってたんですが」


「お前が俺を裏切ったのは分かっている、何故裏切ったかと聞いているんだ!」


「……やっぱ分かってないじゃないですか」


 魔王は魔剣の悪魔に剣を奪われた状態で、胸元の傷を押さえながら、地に膝をついていた。


「どうなってるんだい……手負いと言えど相手は魔王だぞ?悪魔如きに遅れを取る筈が……」


「簡単な話だよ、さっき魔王に薬を飲ませただろ?あれは才能の力を抑える薬、封能薬って代物なんだ。そしてあれを飲んだ魔王は、ただ力が強いだけの存在に成り下がった訳だよ」


「そんな恐ろしい薬があるのか……でも、なんでそれをヤマト君が知っているんだ?あの悪魔はそれを回復薬だと言って魔王に飲ませてただろう?」


「あの魔剣の悪魔は俺達の味方だ、ついでに言うと……あれは俺が用意した物じゃない、玉座の間に繋がる廊下でステラって薬師に出会って貰ったんだ」


「つまり……ヤマト様はその薬を手に入れて、此方側の内通者である悪魔に渡した訳だね」


「まぁそんな感じだ、正確に言えば違うけどな」


 玉座の間に繋がるあの回廊でステラと出会ったのは偶然だ。

 王国で別れた後、暫く身を隠していた所、魔王となった皇帝に再びスカウトされたらしい。

 だが彼の本心は変わり果てた皇帝を、魔王を止める事にあった。だから俺達に力を貸してくれた訳だ。


「本来なら此処から最後の戦い……って予定だったが、封能薬のお陰でだいぶ楽が出来たな」


「くそっ……誰も彼も俺の事を裏切りやがって……」


「お前の指揮の才能は確かに強力だ、だが残念な事に……お前にはそれを有効に使えるだけの人望が無かったんだ、諦めろ」


「俺はまた……お前に負けるのか?」


「何を言ってるんだ、お前が俺に勝てる可能性なんて、最初から無かったんだよ」


 俺は魔王を見下ろしながら、冷たく言い放つ。

 それに対して魔王は……ギリギリと悔しげに歯を鳴らしながら、俺の事を睨み付ける。


「ここまで来れば、もうこの姿で居る必要も無いな」


「おう、ご苦労だったな」


 魔剣の悪魔がそう呟いたかと思えば、その姿がぐにゃりと歪み……別の物へと姿を変える。

 そして、その変形が終わったかと思えば、そこには俺のクロセルが立っていた。


「えっ……悪魔がクロセルちゃんだったのか!?」


「なるほどね、そういう事だったんだ」


「悪魔が魔杖なら……ヤマトがその手に持ってる杖は……?」


「これか?これはそれっぽい装飾を付けた、ただの杖だよ」


 俺は手に持っていた杖をバキッと折り曲げると、乱雑に放り投げる。


「なんでわざわざこんな事をしたの?最初から魔杖が居ればもっと楽に魔王を倒せたかもしれないのに」


「それは簡単な話だ、最初から魔族であるクロセルが居ると、魔王に利用される可能性があったからな」


「なるほど……魔王の魔族に対する絶対命令権……それはクロセルちゃんにも適用される訳だ」


「その手があったか!魔王オセの名を以て命ずる!魔杖クロセル!こいつらを皆殺しにしろ!」


 魔王が思い付いたとばかりにいやらしい笑みを浮かべたかと思えば、声を張り上げて叫ぶ。

 が……何も起きなかった。魔王は目を見開いたまま、何が起こっているのだとばかりに辺りをきょろきょろと見渡す。

 俺は頭を抱えて、呆れるような溜息を吐いた。


「こいつは馬鹿なのか?」


「どうやら我が今このタイミングで正体を現した理由が分かっていないようだな」


「はいはーい!僕は分かるよ!言って良いかな!?」


「良いぞ、仮にそれを知ったとしても、もう魔王には何も出来ないからな」


「魔王が権能を行使できるのは魔王城だけ、だから魔窟に移動した今は魔王の権能の一つ、魔族に対する絶対命令権は発動しない!」


「ま、そういう事だ」


「そこまで計算した上で、クロセルさんを使わなかったんだ、流石はヤマト様、用意周到だね」


「くっ……魔王城に居る内にお前の正体に気付けていれば……」


「今更後悔しても遅い、己の無力を呪うんだな」


「ご主人、ステラから受け取った封能薬の量はそこまで多くない、そろそろ始めるべきだ」


「そうだな……じゃあやるか

 ――解除(アンロック)


 "才能『封印術10』を強制解放しました

 エラー……才能データが破損しました"


 俺が心の中でそう念じると、今まで知らなかった膨大な情報が脳にインストールされる。

 この力の扱い方、封印のやり方が手に取るように分かる。

 さて、この力が消えない内にやるべき事をやらないとな。


「……何を格好付けているのだ、ご主人」


「少しくらい良いだろ……俺のはお前達の魔術と違って地味なんだから」


「ヤマト……お前まさか……自由に力を取り戻しているのか!?」


「あぁ……そう言えばそれを聞いてなかったな、お前は俺の力の何を知っている、知ってる事を全部吐け」


 俺は魔王を問い詰めるが、それっきり魔王は口を噤んだ。どうやら話す気は無いらしい。


「なら仕方ねぇな……此処で眠ってろ、永遠にな」


 俺が魔王に向けて手を翳すと、魔王の真下に青色の魔法陣が浮かび上がる。


「これより魔王オセを魔窟に封印する」


「やめろ……」


「才能指数10の封印術だ、有り難く受け取れ」


「やめろおおおおおおおお!!!」


 魔王の足元の魔法陣に、黒い穴が生まれたかと思うと……その穴は少しずつ範囲を広げ、泥沼に沈むかのように魔王の身体がその中へと飲み込まれていく。

 その様子を、俺達六人は黙って見ていた。

 そして……魔王の悲痛な叫び声、断末魔は途絶える。

 最後に、天に向かって助けを求めるように突き出された、魔王の片腕が飲み込まれ、その穴はゆっくりと閉じた。

 魔法陣の光は収まり、その場には静寂が訪れる。


「やったか!?」


「おいフラグを立てるのはやめろ」


「これで……終わったんだ……」


「流石はヤマトね!本当に魔王を封印しちゃうなんて」


「余の国は……世界は……救われたのか……」


「うむ、完璧だな、魔王の反応は完全に消えた。我々の……勝利だ!」


 クロセルのその宣言を期に、ほぼ同時に歓声があがる。

 此処に居る誰もが、俺達の掴み取ったこの勝利を喜んでいた。

 俺も顔には出していないが、実の所、酷く興奮している。

 宿敵である皇帝エルク、魔王オセを倒した。その事実が嫌でも気分を高揚させる。

 アカツキ達に報告するのが楽しみだ。後はもう一度魔王城に戻り、アカツキ達を連れて教国に帰るのみ。

 帰るまでが遠足、なんて言葉があるが、俺達の帰路にもはや脅威と言える物は無い。どうせ何も起きないだろう。


「あー悪い……そろそろ時間だな、暫く動けなくなる、適当に運んで連れて帰ってくれると助かる」


 "致命的なエラーが発生した為……

 破損箇所のある才能を破壊します『封印術0』"


 頭と胸が爆発する。比喩かもしれないが比喩では無い。

 それ程に、尋常ではない痛みが俺を襲う。あの力を使った代償だ。

 これで俺は二度と何かを封印する事が出来なくなった。

 まぁ、魔王以外に封印するような相手なんて居ないから別に良いのだが。


「うぁぁぁぁぁぁあああああ!ぐああああああっ……」


「何度見ても痛々しいね……」


「ヤマト君は僕が運ぶよ」


「悪……い……助か……る……うぐっ」


「今もアカツキ達が戦ってるのよね、急いで戻らないと」


「うむ、そうだな、ティアは魔力に余裕はあるか?」


「ごめん、この人数を魔王城まで運ぶのは無理かも」


「分かった、我に任せておけ」


「クロセルさんは兵達を連れて教国へ帰る時も空間魔術を使うんだよね、平気なの?」


「余裕だな、確かに一回の消費は大きいがそう乱発した訳でもない、魔王戦で魔術を使わずに済んだのも大きいな」


「っ……それ……なら……封印も……やって……くれれば……良かった……のに……」


「封印術を持たない我の封印とご主人の最上位の封印術を使った封印、どちらが強力な封印かは明らかだろう」


「それ……も……そう……か……」


「ヤマト様、無理して喋らなくても良いんだよ」


 思考も視界も上手く定まらない。

 ただ、俺は勇者に担がれているという事は分かる。

 そして、突如辺りが眩しくなった。これは……クロセルの魔術か。


「魔王城のエントランスだ、外に出てアカツキと合流しよう」


 魔王を倒した俺達に恐れる物は無い筈だった。


 そんな慢心が、身を滅ぼす事に繋がるとは誰も思っていなかっただろう。


 俺達が魔王城の出口へと歩いていると、風を切る音が聞こえた。

 それは例えるならば、剣を振るうような音。

 もう戦いは終わった筈だ。一体誰が剣なんて抜いたんだろう。

 俺は朧気な思考を強引に纏め上げ、意識を覚醒させる。


「はぁ……はぁ……あは……あははははははは!?やった!やってやったぞ!」


「ごほっ……どうし……て……?」


 音のした方に視線を送る。

 俺達の後ろを付いて行くようにして最後尾を歩いていた人物。ティア。

 その身体から、赤い飛沫が辺りに散る。

 思考が停止する。その一瞬は、スローモーションのようにゆっくりと、そして確実に、事実を俺に訴えた。


「お前は!?魔剣の悪魔!?」


「なんだと?教皇の話によると異空間に閉じ込められた筈じゃ……」


「ボクを舐めないで貰えますか?あんな場所……自力で脱出しましたよ……ただ……少しばかり遅かったみたいですが」


「貴様……何を……良くも余の娘を傷付けたな!」


「あははははははは!?安心して下さいよー魔王様から魔力の供給が途絶えた今、暫くすればボクはただの物言う魔剣に戻りますから」


「許さん……貴様は死罪だ」


「あーボクを倒すのは別にどうでも良いんですけど、そんな事よりこの子を助けなくて良いんですか?どう足掻いても致命傷ですよ?」


「お父……様……」


「クロセルさん、ティア様に回復魔術を……」


「エル……残念だがこれは……」


「あ?もう少し人の話を聞けよ、致命傷だって言ってるだろ、今更傷を塞いだってどうにもならねぇよ」


「どういう……事だ……何が起きてる……」


 恐らく、俺は正しく状況を理解出来ていない。

 冷静になれ、俺。まず、事実として、今この場には本物の魔剣の悪魔が現れた。

 その手には聖剣フルティン。つまりこいつは間違いなく本物の魔剣の悪魔だろう。

 そしてその剣には血が付いている。辺りにも血溜まりが出来ている。つまり魔剣の悪魔は聖剣で誰かを傷付けたという事になる。

 次だ。地面にティアが倒れている。状況から推察するに、魔剣の悪魔が斬ったのはティアだろう。

 そしておかしな事に、地面にはティアの身体が二つある。いや……斬られて二つに分かれたというのが正解だろうか。

 上半身と下半身が分かれるような傷、それは恐らく一般的に致命傷と言える物であり……ティアの命は……


「あ……ぁ……?」


 思考が掻き乱される。

 冷静になれ。俺。大丈夫だ、俺は冷静だ。

 俺達の仲間にはクロセルが居る。回復魔術がある。

 回復魔術があればどんな傷だって塞がる。だから大丈夫。ティアは大丈夫なんだ。

 そうだ、俺は冷静だ。冷静過ぎて自分が恐ろしい。

 だってほら、俺にはこんなに仲間が居る、これだけ居れば不可能なんて無い。大丈夫、大丈夫なんだ。


「ご主人!気を確かにしろ!ご主人!」


「何を言ってるんだ……俺は冷静だぞ?クロセルは早く回復魔術を……」


「ご主人!現実を見るのだ!ティアの事を……ちゃんと見てやれ……」


 クロセルの言葉で俺は我に返る。

 そして俺は、信じたくもない事実を受け入れる事になった。

 ――ティアはもう、助からない。


「ティア!しっかりするのだ、ティア」


「お父……様……ごめん……なさい……いつも……言うことを聞かなくて……ごほっ……お父様より……先に……死んじゃって……」


「死ぬな!ティア!くっ……本当に助かる術は無いのか!?」


「あははははははは!?愉快ですねぇ!?やはり人の死とはこうでなくては!いやはや即死させなくて良かった良かった」


「仲間を殺したお前を……僕は許さない!」


「あー嫌だなぁ……今のボクに戦闘能力は無いんですってば、実にドラマチックな展開、喜劇からの悲劇!いや~ボクも良い仕事をしましたよ!?最後まで見させてくださいよ~」


「うるさい!僕の聖剣をこんな事に使うなんて……ヒーローアタック!」


 勇者の聖剣が、魔剣の悪魔の身体を大きく斬り裂く。

 血は出ない。が、その身体は少しずつ半透明になっていき……やがて手足の先からゆっくりと光の粒子となって消滅を始める。


「うぐっ……いやまぁ……悪役の当然の末路ですよね……ですがボクは十分楽しめました、ですから君達には感謝しているんですよ?ではボクはこの辺で退場といきましょう、それでは皆様、さようなら~あははははははは!」


 魔剣の悪魔の姿が完全に消滅した所で、地面に一本の剣が転がった。

 俺は勇者の背から降りると、ゆっくりとティアの元へ近付いていく。


「ティア……俺が分かるか?」


「ヤマト……わたし……ヤマトの……役に立てた……?」


「あぁ、お前の活躍が無ければ魔王は封印できなかった、お前は勇者として立派に責任を果たしたよ」


「それなら……良かった……」


「こんな所で死ぬな、魔王を倒した後は……みんなで仲良く暮らすんだろ?」


「あは……そうだ……ね……わたしも……もっとみんなと……遊びたかった……な……一緒に居たかった……な……」


 普段は強気で、物怖じしないティアが、涙を流していた。

 助けたい。俺はもう二度と、大切な人を失わないと決めたんだ。

 何か……何か方法が……考えろ、考えるんだ俺!


「はっ……クロセル、才能指数10の回復魔術があればティアは助かるか?」


「ご主人!?ダメだ!あの力を短時間で使うのは二回が限界だと言っただろう!これ以上はご主人の命まで危うくなるぞ!?」


「その言い方だと出来るんだな!?ティアは助かるんだな!?」


「恐らく……可能だ」


「オーケー!ならやるしかねぇな!

 ――解除(アンロック)……っあっ」


 三度目の発動、それは不発と化し、俺の視界は真っ暗になった。

 ダメだ、此処で意識を失ったら……ティアは助からない。


「嫌だよ……こんな終わりなんて……私はハッピーエンドが好きなんだ……こんな終わり……認められない」


 エルのそんな声が聞こえる。慌てて意識の糸を掴もうとするが、それは叶わない。

 こうして俺の世界は静かにフェードアウトした。

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