【クリスマス企画】三作目 君のために
風は通り過ぎ
草木を揺らす
オレンジに染まる空
一人の帰り道
記憶は蘇り
自然と涙はこぼれた
悲しい 辛い
気持ちを押し殺し
呟く
「目にゴミが入っただけ」
強がる僕に優しい声
「大丈夫?」
君はいつも そう
いつだって僕を励ましてくれた
そんな君に僕は何もしてあげられない
僕は君を遠ざけた
これ以上傷つけるのが怖くて
これ以上優しくされるのが苦しくて
君のことが恋しく愛おしいけれど
触れてはいけない
近くにいてはいけない
僕はきっとまた君を傷つける
だから僕は君を遠ざけた