第1話 桜の花ってきれいだよね。
「わぁ・・・!サクラだぁ!」
私の名前は潤光 春羽。
風乎瑠中学校の2年生。
今日もあいつと一緒に学校へ行く。
あいつとは海箜 四途。小学校からの仲良しだ。
四途はよく女子にもてる。
「四途、おはよ〜!」
私はいつもの待ち合わせ場所で四途と合流した。
「おはよう、春羽。今日も元気いいな、馬鹿みたいに。」
四途が挨拶代わりの憎まれ口を私に放った。
それから、学校に着くまでの約10分間私たちは他愛もない話に花を咲かせていた。
四途と行く学校への道はとても短く感じる。
待ち合わせ場所で会ったと思えばすぐに学校へ着いてしまうのだから、こういう時ってなんて時間は平等に分けられてないんだろうとか思う。
《神様って・・・不公平だな・・・》
私はそんな事を思いながら学校の校門をくぐった。
教室に着き、私は自分の席に付いた。
「はぁ〜るば!!おっはよ〜う!!」
着いたそうそう私に飛びついてきたのは友達の理念だ。
理念の後ろから四途が顔を出した。
「今年は早く桜咲いたね?春羽!」
と理念が言った。
「うん!」
「春羽は桜の花好きだもんねぇ〜!」
たしかに私は桜が好きだ。
『春羽』という名前は私が3月に生まれたから、ということだ。
一時間目の英語の時間、誰かから手紙が回ってきた。
(誰だろう・・・?)
“春羽へ、
相談に乗ってほしいことがあるから、
放課後視聴覚室前に来てくれ。
ヨット”
・・・四途?
私は考えていた。
四途が私に相談?
なんだろう?
・・・・好きな人が出来た?
・・・いや、ないない!あるわけない!
そう思いたかった。
なんて考えてるうちに一時間目が終わった。
・・・・・じれったい。
「放課後まで・・・待ってられっか!」
そう言うと私は四途を引っ張って屋上まで行った。
「いって〜な!腕ちぎれるだろ?」
「なに?相談って?」
私は、まるでカツアゲする女子学生みたいに四途の胸倉をつかんだ。
「はっきりしなさいよ!相談したいって言ったのはそっちでしょぉ?」
なかばキレかかってる私を抑えながら四途は言った。
「・・・いいか?俺は、春羽を信用して言うんだからな?絶対笑うな、他言するな!破ったらしばく。」
私はぶんぶん首を縦に振った。
「実は・・・・俺、好きな人がいるんだ。」
「・・・マジ?」
う、うそでしょぉ?!