歌声
「~~~~」
なんとなく、眠れない夜、それは聞こえてきた。夜中の1時ぐらいだろうか。それは、スローテンポで、穏やかで、綺麗で、安心できて、とても上手いのに何故だか眠気を誘う
歌声だった。
そう思った瞬間、俺は眠りについた。
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(なんだったんだ夜のは?)
朝、目が覚めると驚くほどすっきりと目が覚めた。俺は基本寝るのが早い(本にはまった場合は除く。)ので、1時位に寝始めると、翌朝の寝覚めは悪く、頭痛がする。だが今日は違った。昨日の謎の歌声のおかげだろうか、とても寝覚めがよい。記憶が確かならば夢も見ないくらいぐっすりと寝た。・・・いや、普通に考えればあの歌が夢で、俺は実際早く寝ていたからだろう。今からそれを確認してみよう。部屋を出て、1階に降りて、洗面所でうがいをし、顔を洗ってから朝食の席につく。そしてそこで俺は口を開く。
「昨日の夜、1時位だったかな?なんか外から、歌声が聞こえてこなかったか?」
家族に聞いてみる。
「ううん、聞こえなかったよ。」
「酔っ払いの歌声か?」
二人とも聞いてはいないようだ。ちなみにセリフは初めから順に、妹、親父だ。母さんはこんな朝早くから働きに出ている。俺の両親は共働きで家にいないことが多いが朝には親父がほとんどいる。かわりに母さんはいない。・・・でも前に聞いた話では親父のほうが稼ぎ頭みたいだ。忙しそうなのは母さんの方だが。・・・あまり朝から考えないようにしよう。何はともあれ二人が聞いてないなら確信した。あれは夢だ。
「あー、じゃあ俺の見た夢だなそりゃ。」
そういってこの会話を終わらせる。
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学校の教室につくと
「おはよう、神谷君。」
「あ、おっはよ、勇気。」
いつもどおりの鳥屋とおととい復活を聞いた、久しぶりに学校であった風香が挨拶をしてきた。
「おう、おはよう。」
俺もいつも通り挨拶を返す。自分の席に着くと、その二人が俺の席に集まってきて、小声で話しかけてきた。
「ねぇ、神谷君。夜にさ、なんか歌声聞こえてこなかった?」
「私たちは聞こえたんだけど、他の人に聞いても”聞いてない”って言うのよね。」
俺が夢だと判断してたあれは二人も聞いてたようだ。
「俺も聞こえたな。・・・とても綺麗で、良い歌声だった。だけどあんな上手いのに、なぜか寝ちまったよ。」
俺がそう答えると
「私もそう。なんか、安心して寝ちゃうんだよね。」
「あたしもだなぁ。なんかこう熟睡しちゃうんだ。で、今日の朝凄いスッキリ目が覚めて。」
どうやら二人も全く同じ体験をしたようだ。それも気になるところだが、今の会話、めっちゃ違和感があったぞ。なんかこう、昔から馴染んだものがさりげなく変わったような・・・あ!
「風香、お前一人称変わったのか?」
そう、”私”から”あたし”になってる!気づいたが最後、ものすごい違和感に襲われる。俺が思考の沼にはまっていると風香が、
「それがさ、土曜日に勇気が帰った後にね、萩原さんに呼ばれたんだ。そしたらびっくり!”鳥屋君と一人称がかぶって分かりづらいから変えろ!”なんて言い出してね、15年間弱の癖をたった二日間で直されたの!」
・・・あの人ならそんな理由でやりかねん。実際俺は今、完全に風香の話を信じきっている。どうせ今日萩原さんにあったら”神谷君!気づいたかね!桜井君の一人称が変わっているのを!たった二日で私が矯正してやったのだ!凄いだろう!”とか言ってくるんだろう。
「私もね、さっき聞いたときびっくりしたよ。」
鳥屋も困り顔。さすがだ、萩原さん。
「そういえば転校生が来るってしってる?」
風香が突拍子もなくそんなことを言ってきた。鳥屋と俺は答える。
「ううん、しらない。」
「知らんな。この時期にとは珍しい。」
もう4月も終わって5月だ。こんな時期に?中途半端な。
「ま、何はともあれ、楽しみだね。」
風香がそういうとちょうどチャイムが鳴って先生が入ってきた。クラスのみんなが席に着くと、先生(45歳、男性、さえない見た目が特徴、社会教師、メガネ)がみんなに連絡をする。
「お前ら、今日は転校生がこのクラスの仲間入りをする。そんじゃ、入っていいぞ。」
そうすると教室のドアが開けられ、その転校生が入ってくる。見た目は、端正な、とてもかわいい顔立ちで、髪はボブカットでさっぱりとしていて、色は明るい白。全体的にふわっとした印象がある女の子だ。当然クラスの男子は色めき立つ。・・・俺も普段鳥屋と会話していなかったらあの中の仲間入りか。でも素直にいいことを喜べないのも寂しいかもな。果たしてどっちがいいのやら・・・。そんな風によしなしごとを考えていると自己紹介が始まった。
「水谷奏です。父の仕事の都合でこんな中途半端な時期に来ました。これからよろしくお願いします。」
ちょっと冗談を交えながら自己紹介をする。ちょっとゆっくり目の、ほわほわした感じのしゃべり方だ。いたって普通なそれだが、しかし俺はそれを聞いて、
「っ!」
つい驚きの声を上げる。幸い周りには聞こえなかったようだ。よく見れば鳥屋と風香も驚いている。そりゃあそうだよな。なんてったて水谷の”声”は
夜の”歌声”にそっくりだった。
風香は犠牲になったのだ。作者の力量不足の。萩原さんは突飛なことをさせるのに大変便利ということに気づきました。一人称をつい被らせてしまいました。
前の話の流れからの新しい女の子の登場です。作者は好きな小説のジャンルの1つはハーレムものです。ですがサービスシーンは書けそうにありませんね。
今回は投稿がちょっと遅れましたがちょっと個人的に忙しかったのと、家族の目から逃げれる時間がなかったからです。これからしばらくこんな感じになると思いますがよろしくお願いします。今回あとがき過去最長。




