表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テンプレって美味しいの?うんサクサクの衣が…ってそれは天ぷら。

作者: ぽむ

ふと思いついた駄文。

 俺は死んだ。ついさっき道路に飛び出した小さな子を助けようとして代わりに轢かれた……訳ではなく、美少女が空から落ちてきたのだ。ただ、某映画のようにゆっくり落ちてきたわけではなく、自由落下そのままの速度で直撃した。


 俺がコンビニでアイス(正確には乳脂肪分がないので氷菓子と言うらしい)を買って、公園のベンチに座り、のんびりシャクシャクと涼んでいたのだが、何処からか「うわぁああ!どくのじゃ〜!」と言う声。当たりを見渡しても誰もいない。何処から声がするんだろうと、ふと上を見上げると、靴と思われる足の裏が見え、直後俺の意識は途絶えた。


 んで、今現在。俺はゲーム機だらけの部屋にいる。つまり俺の部屋にいる。そして目の前には自称神様を名乗る美少女。年の頃は中学生から高校生ぐらい。黒目黒髪の所謂姫カットと呼ばれる髪型で(ちなみに正確な名称とかは知らん。そんな物には興味はないし)、服装はこの辺の子供にによく見かけるセーラー系の学生服(正確な学校名も知らん、イチイチどの学校がどんな制服とかこれも興味はない)を着ている。基本的には解らんづくしなのだが、ただ一つ解っている事はその容姿が芸能人も真っ青と言うぐらいの美少女ップリな事ぐらいだ。正に神が作りたもうた造形美と言う奴だろう。


 んで、なんでこんな事になったのかというと、どうも神様もあまりに暑いのでバリバリ君を買おうと地上に降りようとしたらしい。ところが、あまりの暑さに朦朧としたのか、座標を間違え上空2000mに出てしまった。とはいえそこは神様。そんな高さから落ちても死ぬ筈もなく、落ちる際の風が涼しかった事もあり「せっかくだし、まいっか〜」と涼しさを堪能していたら落下地点に俺が居る事を発見。予想外の出来事に本来なら制動をかけ軟着陸するはずが、パニクってそのままヘッドプレス。取りあえず死体は放置し、話をするために魂の俺を引きずって俺の部屋まで上がり込み、事情を説明、今に至る。


「いやぁ、すまんかった。はっはっは!」

「つか、俺そんな理由で死んだんですか?」

「うむ」

「で、今は絶賛死亡中と?」

「その通りじゃ」

「生き返ったりは?」

「もう肉体は粉々じゃからな。ムリじゃな。この世界には治癒魔法みたいなのはないからの」

「………あなた神様ですよね?」

「もちろんじゃ」

「何でも出来るんじゃないんですか?」

「何でも出来るのはこの世界を創りこの世界の法則を決めたおとんだけじゃ」

「じゃぁそのお父さんに頼んで……」

「だ、駄目じゃ! 絶対駄目じゃ! おとんに叱られるじゃろうが!」

「ふむ、なるほど、即ち創造神である父親にバレる前にナイナイで処理をしたいと?」

「うむ、その通りじゃ。最近水やりをサボっておって叱られたばかりなのじゃ。その上に踏み荒らしたとなると、どれほどの折檻を受けるか……想像するのも恐ろしいのじゃ」


 ふむ、即ちこの世界は神様が創った花壇のようなもので、その娘はタマに水をやりつつ、遊びで花の蜜(その世界の成果)をすって居るって感じなのか? んで今回はちょっと勢い余って花壇を踏み荒らしてしまったと。で、俺という苗を踏み荒らしてしまったので、それを綺麗に引っこ抜いて証拠隠滅しようって事かな?


「おお! まさしくその通りじゃ!」

「考えてる事も丸見えかよ!」

「ふふん! これでも神様じゃからな」

「て事はテンプレ的に、この後俺はチートな能力でも貰って転生しちゃう訳か……」

「ん? 何でそんな事するんじゃ?」

「は?」

「潰しちゃったのは悪いなーとは思ってとるが、神が何でそんな事しなくちゃイカンのじゃ?」

「え?」

「まぁワシが潰しちゃったから、一応最期を看取ってやろうと思っただけじゃ」

「え? 看取る? トリップとか転生は?」

「いや、せんよ。お前は虫が死んだら謝罪をするのか? まぁ潰してしまって悪かったのうとは思うが、別に謝礼まではせんじゃろう? 第一、トリップをするにもお主の身体はバラバラじゃし、転生もムリじゃ。転生というのはそやつが生きて実を付け種が出来て初めて可能なのじゃ。お主は花も咲くことなく潰れてしまったじゃろ」

「じゃぁもしかして俺ってこのまま消滅するだけ?」

「うむ、その通りじゃ」

「え? ちょっと待ってくれ! 今こうして俺喋ったりしてるじゃん。何とかなるんじゃないの?」

「ならんの。お主は切り花を元の花壇に戻せばまた同じように生き返るとでも思っておるのか?」

「て事は、おれは切り花状態で、もう後は枯れるだけと?」

「うむ。だが、何も知らずに消えていくのも可哀想なのでみていてやるのじゃ。まぁ子供がアリンコに運ばれる虫の死骸を観察するようなものじゃな」


 駄目だコイツ、早く何とかしないと!


「おとうさ〜ん! この美少女女神のおとうさ〜ん! あなたの娘がまた花壇を荒らしてますよ〜!」

「ぎゃ〜〜〜っ! 止めるのじゃ! 大きな声を出してはイカンのじゃ! 今日は休日でおとんも家にいるのじゃ!」


 くっくっく、それは良い事を聞いた。


「おとうさ〜ん! ここで〜す! ここで花壇を荒らしてますよ〜! ついでに俺殺されちゃいました〜! 叱ってやって下さい〜!」

「ぎゃー! 止めるのじゃ! 止めるのじゃ! 大きな声を出してはイカンのじゃ!!」


 こうして美少女女神の悪事は創造神である父親に明るみになり、美少女は折檻を受ける事となったのだ。


 ちなみに俺はと言うと、流石創造神というか、元(?)の姿に戻して貰い、いつもどおり(?)の生活を送っている。ただ少し以前と違う事は、俺の身体が縮んでしまった事。どうも死体の一部が野犬に持って行かれたりした所為で、再構成の都合で少々若返ってしまった事。そしてもう一つは……


「タカヒロ〜! コーラがキレたのじゃ〜! 買ってくるのじゃ〜!」

「てめっ、俺のジュース勝手に飲むなって言ってるだろ!」

「細かい事を五月蠅い奴じゃのう、そんな事ではモテんぞ?」

「うるせぇ! 加護なんか要らんからとっとと天界に帰れ!」

「わしも帰りたいのは山々なのじゃが、おとんからお前が死ぬまで世話をしろと罰を受けたので仕方ないのじゃ。それとも何か? もしかして死ぬ気に成ったのか? それなら苦しまずに死ねる首つりがお薦めじゃ!」

「誰が死ぬか! お前マジで出てけ!」


 そう、加護だかなんだか知らんが、コイツあれからずっと俺の部屋に入り浸りなのだ。ゲームし放題、漫画読み放題、ネットし放題なのだ。そして一日中、俺の家で食っちゃ寝食っちゃ寝しているのだ!支払っている電気代は2倍に跳ね上がり、食費も同様。しかも近所には美少女を部屋に連れ込んでいるロリコン男という噂まで流れているのだ。こんなの加護じゃなくて呪いだろ。ていうか疫病神にも程がある!


「だから、ここにいるのはワシの仕事なのじゃ〜、仕方ないのじゃ〜。そんな事よりもコーラを早く買ってくるのじゃ〜」


 くそ! こんな事で俺は負けん! 俺の戦いはまだ始まったばかりだ!


たぶん続かない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ