5.一件落着しました。
結局良いタイトル思い浮かばなかったなぁ…もうこのままでいくか(*´Д`)
数日後、私達(私と父とアレンとバートン小父様)は、今回の事後報告とお礼を兼ねて、ミラー公爵をお茶会に招待していた。
「ミラー公爵様、今回は本当にありがとうございました。改めてお礼を申し上げます」
「私達からもお礼を申し上げます。今回は本当にありがとうございました」
私が頭を下げると、アレン達も一斉に頭を下げた。
ミラー公爵は「気にしないで。そろそろ調子にのったバカ共を、締めあげたいと思っていたから」と、笑顔で言ってくれた。
公爵の心の広さに感動したが、何故かアレン達が冷や汗をかいていた。
あの後王家とセドリック殿下から、それぞれ謝罪を受けた。
殿下はバカ王達から『私に婚約者はおらず、殿下に好意を持っているようだ』と、聞かされていたそうだ。
私をセドリック殿下に嫁がせて、私腹を肥やすための嘘だったのだろうが、鵜呑みにして話を進めたのは自分の責任だと、頭を下げられて恐縮した。
それと殿下が私に求婚したのは、私なら不仲な正妃と側妃の仲立ちができるだろうと考えたそうで、恋愛感情は一切なかったそうだ。
ホッとしたような、女の魅力がないと言われたような、複雑な気分だった。
そんな殿下も3日前に帰国した。
王家は辺境伯家と侯爵家の婚約を不当に破棄しようとした事、隣国の皇太子に偽りを告げて援助をだまし取ろうとした事で、それぞれに慰謝料を支払う事になった。
かなりの額になるので大分ごねたそうだが、公爵が黙らせたらしい。
そこで気になっていた事を思い出し、公爵に尋ねる。
「そういえば陛下達はどうしているんですか?あの騒動の後すべての責任を取らされて、王宮中の貴族から説教されたそうですが…」
当初ミラー公爵が馬車で王宮を爆走し、謁見の間に突っこんだ件で貴族達から猛抗議が来たが『四馬鹿が隣国の皇太子を騙して援助を搾り取ろうとしていた、最悪戦争になるのを止める為、急ぐ必要があった』と説明されて、最終的に矛先が四馬鹿に向かった。
そのせいで重臣達からきつく説教され、暴走馬車のせいで壊れた王宮の修繕費を含む、多額の慰謝料を一括払いしてから、姿を見ていない。
私の問いに、公爵が悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「うふふ、あの4人なら『裸の王様ごっこ』を、しているわ」
4人の意外な近況に、目を丸くする。
「は、裸の王様ごっこ?」
「そう。しばらく公の場には出てこないと思うわ」
首を傾げる私に公爵はそれ以上言う気はないようで、笑顔でお茶を飲んでいた。
そんな公爵を見てある決意を固めながら、私もお茶を飲んだ。
横で冷や汗をかいている、父達には気づかなかった。
その夜4人で晩餐をとっている時、不意にアレンが口を開いた。
「父上、ライト伯父上。あのミラー公爵は、どういう方なのですか?どうして四馬鹿達を黙らせられるんですか?」
言われてみればそうだ。
アレンの問いに、父達が首を傾げる。
「う~む、それがよくわからんのだ…」
「わからない?」
「うむ。ミラー女公爵は元々陛下の婚約者だったが、学園に通っていた頃ある日突然陛下、その頃は王太子だったが…王太子が『妹を虐めているような奴とは婚約できない、お前のような悪女とは婚約破棄だ!』と言ってきてな」
父の言葉に、小父様も続く。
「当然彼女は否定してな『それなら悪事の証拠をつかんでやる!』と言って、王太子達がミラー家に滞在したのだが…それから1か月するかしないかの内に、4人揃って公爵…いや、公爵令嬢に『疑ってすみませんでした、もう勘弁して下さい!』と、土下座していた」
「あの頃は凄かったな…理由はわからないが、4人揃って常に真っ青で気分が悪そうだったからな」
「当時の王宮の使用人に聞いた話では、突然泣いたり、悲鳴をあげたり、おかしな行動をとったり、かなり情緒不安定だったそうだ」
「まぁ…」
「ますます謎ですね…」
私とアレンは、顔を見合わせる。
「お父様、私決めました」
食事の手を止めて、父達の顔を見る。
「ん、何だ?」
父もナイフとフォークを置いて、こちらに顔を向ける。
アレンや小父様も不思議そうな顔をしている。
「私、ミラー公爵様みたいになりたいです、今後は公爵様を見習って、強くて素敵な女辺境伯を目指します!」
私の宣言に、3人が一斉に叫ぶ。
「お願いだからやめてくれ!」
「お前は今のままで良い!」
「そうだ、ミラー公爵が2人だなんて怖すぎる!!!!!」
泣いて縋ってくる3人を無視して、私は天井に向かって誓いの拳を掲げた。
その頃、王宮の国王の自室では、四馬鹿がそれぞれ寝巻1枚で布団にくるまって、震えていた。
「ハックション!」
国王が盛大なくしゃみをすると、被っていた布団をさらにしっかりと被り直した。
「チクショウ、あの悪魔め…慰謝料が足りないからって、最低限のもの以外、家具ばかりか服まで売り払いやがって…」
騎士団長が、震えながら女公爵に悪態をつく。
「私のドレスぅ~宝石ぃ~」
同じく身ぐるみ剝がされた王妃が、半べそをかく。
そこに国王が立ち上がった。
「もう我慢ならん!今回こそは、あの女に不敬罪で文句言ってやる!いくら昔の事があるからって、やりすぎだ!」
握り拳で宣言する国王に、王妃と騎士団長も賛成する。
「そうよ、やりすぎよ!私達は国王と王妃なのよ!?臣下相手なんだから、何やったっていいじゃない!」
「そうだそうだ!言っちゃえ言っちゃえ!」
するとそれまで黙っていた宰相が口を開いた。
「この中の誰が、ミラー公爵に勝てるって言うんですか?返り討ちにあって、余計酷い目にあうだけだと思いますが?」
「「「…………」」」
宰相の的確な一言に、全員黙りこんだ。
国王が怒りでわなわなと震えだす。
「チックショ~~~~~~~~~~!!!!!!」
夜の王宮に負け犬もとい、バカ王の遠吠えが響き渡った。
この後メイド長に「うるさい!」とボコボコにされました。




