雪
室内でへこたれた観葉植物
窓の外は雪が大いにちらついて 奥は
まぶした白が広がっている
足跡も汚れもない雪原が布団
知った空は見知らぬ天井
寒さが温もりとなって私を沈めていく
昼休みが終わる教室
どこを切り取ったとしても
皆同じ方向をみるものだから
あの雪の白さを知らないのさ
暖房機が稼働する
ヴーンと音がする
人肌を覆う制服の群れ
聖者の匂いに 息を止める
コツンと鳴ったチョークの音に顔を上げたのは
私だけ
あの観葉植物も あの聖者も 私も 全て解放しよう
ああ 雪が降った
雪が降った